▲カル本アワード2025授賞式の様子:「カルチャー変革ルーキー賞」を受賞(写真左から) Unipos株式会社 カスタマーサクセス 園部洋奈、旭化成株式会社 パフォーマンスプラスチックス事業部 ザイロン技術開発部 田中雄大様、レオナ事業部 レオナ樹脂技術開発部 部長 三好貴章様、レオナ事業部 レオナ樹脂技術開発部 林優太様、Unipos株式会社 組織コンサルタント 鍋島大智7つの異なる組織が集まり、ザイロン樹脂技術・レオナ樹脂技術の開発や セルロースナノファイバー活用技術の研究などを担う、旭化成株式会社千葉開発センター様。部署間のつながりを強め、安全を共通言語とした組織づくりを実現するため、Uniposをご導入いただきました。ヒヤリ・ハット報告をUnipos上で共有するという独自の運用に加え、若手を中心とする事務局メンバーが現場に寄り添いながら働きかけを続けたことで、現在では約70名の組織で、月におよそ1,000件もの投稿が生まれるまでに活用が広がっています。Uniposの活用が進む中で、組織や一人一人の意識や行動にどのような変化が生まれたのでしょうか。後編である本記事では、Unipos活用による変化についてさらに詳しく深掘りしていきます。※前編はこちらからご確認いただくことが可能です。併せてぜひご覧ください。変化②——1つの投稿が、組織全体の行動を変えた。ヒヤリ・ハット報告がタイムリーになり、改善のスピードも大幅向上――運用から約8ヶ月。社員の皆様の行動にはどのような変化が表れていますか?三好様:象徴的なのは、「部屋を出る時の施錠」に関する変化です。施錠忘れは、以前からSTOPカード(作業などで危険を感じた際に提出するヒヤリ・ハットカード)で何度も指摘されてきた根深い課題でした。 それが、Uniposをきっかけに劇的に変わったのです。ある時、一人の社員が「最後の人に施錠をお願いする声かけをしてくれた」と、メンバーの行動を称賛する投稿をしました。すると、それを見た他のメンバーからも「自分も声をかけるようにした」という反応が次々と広がりました。▲「施錠をお願いする声かけ」について発信した一番初めの投稿▲最初の投稿に続いて、施錠に関して発信された投稿三好様: 会社としてルールを強制したわけではありませんが、今では部署を越えて、この行動が自然な習慣として定着しています。 Uniposがあることで、これまで話したことのなかった隣の部署の人に対しても、自然に声をかけ合える関係性が生まれていることも、この声かけが広まった背景にあるのではないかと考えています。――これまでの運用では、なぜこうした広がりが起きなかったのでしょうか。三好様:従来のSTOPカードでは、指摘が限られた範囲で処理され、横展開されることがほとんどありませんでした。一方、Uniposでは全員が投稿を見ることができるため、「自分も一言声をかけよう」という意識と行動が組織全体に波及したのだと思います。――他にはどのような変化を感じられているのでしょうか。林様:現場の改善スピードも格段に上がりましたね。以前は「誰の仕事でもないが、誰かがやるべき」という、組織の隙間に落ちた課題が放置されがちでした。しかし、Uniposでそれが可視化されると、「これなら自分ができるからやっておくよ」と、部署を問わずメンバーが自発的に手を挙げるようになったのです。「目に入ったらとりあえずやってみよう」という風に、 Uniposを通じて自分ごとにするハードルが全員下がったのではないかと感じています。また、「自分では解決策が分からないけど、問題だと思っている。誰か助けて」というメッセージを発信する場としてもUniposを活用できるようになっています。Uniposを通じて、課題や困りごとが全員に可視化されたことで、課題に対する共通認識がある状態で他のメンバーと会話ができるようにもなりましたね。木村様:定量的な変化としても、報告の「タイムリー性」が劇的に向上しました。以前は月末にまとめて書いていた報告が、今は「起きたその瞬間に書こう」という意識に変わっています。安全において情報の速報性は命ですから、これは非常に大きな成果です。三好様:STOPカードの件数自体も、以前は1人3件ちょうどだったところが、4件近くまで増加しています。――Uniposを活用していく中で、安全活動そのものに対する意識に変化はありましたか?林様 :正直に言えば、以前は「月3件の報告を挙げること」自体がある種の目的になってしまっていました。それが、今では「STOPを挙げること」が目的ではなく手段になり、「それを見た人がどう動くか」というところを目的に据えられるようになりました。 社会人になって間もない頃は、日常的にSTOPカードで報告されるような些細なことが、重大な事故の防止にどこまでつながるのか、実感を持てていませんでした。 しかし、実際にUniposでSTOPカードを投稿し、それを改善しに行くようになると、「確かに、ここは改善しておいた方が良かった」と心から思えることが増えました。また、以前は投稿が誰にどのように受け取られているのかが分かりにくく、向き合い方に迷いがある時期もありました。その結果、月末になると遠い記憶を掘り起こして、苦し紛れに3件まとめて書いてしまうこともありました。そうした「誰も見ていない」という諦めが、時には攻撃的な内容の投稿に繋がることもあったのだと思います。しかし、今はオープンな場で他のメンバーからリアクションがもらえますし、他の人のSTOPカードを見る習慣も定着しています。その結果、組織全体として、STOP活動の質が非常に高まっていると感じています。他にも、Unipos投稿を通じて「現場の風景」が想像できるようになりました。現場が想像できるようになると、改善の方向性も明確になります。改善のイメージが湧きやすくなったことで、実際の行動にも移しやすくなりました。担当者レベルでも、目の前の事象の「一歩先」まで見通せるようになったこと。 これは、Uniposが生んだ大きな変化だと思っています。変化③——「人となり」が見えることで、部署や立場を超えたコミュニケーションが活性化――コミュニケーション面では、どのような変化を感じられているのでしょうか。田中様:以前のSTOPカードは「指摘」でしたが、今は「感謝と称賛」から関係が始まります。関係性がポジティブなものから始まることで、現場の空気が明らかに柔らかくなりましたね。特に、コロナ禍に入社した私や林の世代にとって、Uniposの存在は非常に大きいと感じています。私たちの入社当時は、誰が何をしているのか分からず、人間関係を築くのが難しい状況でした。しかし今は、Uniposを通じて事前に人となりを知ることができ、「あの投稿見ましたよ」と自然に話しかけられます。実際、以前は他部署のベテラン社員に声をかけることに不安がありましたが、投稿を見て人柄を知ることで心理的ハードルが大きく下がりました。木村様:中途入社で同期がいなかった私は、当初は限られた部署内でしか交流がありませんでした。そのような状況の中で、Uniposへの投稿をきっかけに、これまで話したことのなかった方々の考えや日常に触れる機会が増え、心理的距離が縮まっていきました。ある時、体調不良を何気なく投稿したところ、面識のなかった方から直接「大丈夫?」と声をかけてもらい、お互いに歩み寄り、話しかけやすい空気が組織全体で醸成されていることを実感しました。三好様:派遣社員の方に対しても、投稿をきっかけに一歩踏み込んだ会話が生まれています。共通の話題があることで、日常的なコミュニケーションが自然に広がるようになりました。田中様:コロナ禍に入社した当時は、相手の顔や名前も分からない不安がありましたが、現在はUniposを通じて人となりを知ることができるため、新入社員が同じ不安を感じることはないと思います。また、新入社員に対して、「ようこそ開発センターへ」というラベルを付けて歓迎する文化も自然に生まれており、新しく入った方が最初から「仲間」として迎え入れられる環境が整っています。▲三好様から新入社員の方へ送られたUnipos投稿Unipos社の支援——情熱ある伴走と迅速なレスポンスが、現場の「本気」を引き出した――Unipos社とのやり取りの中で、印象に残っていることはございますか?三好様:導入の検討段階で、営業担当の鍋島さんから受けた情熱的なプレゼンが非常に印象に残っています。鍋島さんの納得感のあるお話が、「社内を説得しよう」という気持ちにさせてくれ、導入の後押しになりました。――導入後のサポートに関してはいかがでしょうか。三好様:一般的なツール導入では、説明会は一度きりで終わることが多いですよね。しかしUnipos社の場合は、私たちの組織状況に合わせて説明会を2回、3回と分けて実施してくれました。田中様:導入後の運用フェーズでは、カスタマーサクセスの園部さんに管理職向けの説明会を実施していただいた際、自社のプロダクトについて非常に堂々と説明されている姿を見て、「自分たちも社内できちんと取り組まなければならない」と、事務局側に強い覚悟が芽生えるきっかけとなりました。 何より助かっているのは、レスポンスの速さです。導入初期はシステム上の細かな疑問が次々と出てきますが、問い合わせるとすぐに回答が返ってきます。そのため、社員からの質問に対してもタイムラグなく展開でき、それが事務局に対する社員の信頼にも繋がっています。これほど手厚く支えていただいている以上、事務局としても「何とかこの活動を広めていこう」と、本気で取り組む意欲を維持することができました。これから—— 感謝から称賛へ、量から質へ。指摘もし合える関係性を育み、フェーズ2.0を目指す――最後に、皆様が今後のUnipos活用について、展望をお聞かせください。三好様:現在は感謝の投稿がメインになっていますが、今後はさらに「称賛」をうまく取り入れていきたいですね。その感謝と称賛を土台に、「厳しいことでも言い合える関係性」を築いていきたいと考えています。田中様:感謝や称賛が飛び交うのが当たり前になり、心理的安全性が高い状態で、お互いに気兼ねなく指摘も行える。そこを一つの目標として目指したいですね。林様:投稿の量に関しては一定のレベルに達したと感じています。ですので、次のステップとしては「量から質」への転換を図っていきたいです。他社の事例と比較しても、私たちのセンター内での会話の質をさらに高める余地はまだあると思っています。事務局としても、そこを「フェーズ2.0」と捉え、働きかけていきたいですね。木村様:私の部署では、まずは「現在の投稿量を維持すること」が当面の課題です。何もしなければ投稿数は下がってしまう懸念があるため、まずはこの勢いを定着させたいと考えています。その土台をしっかり固めた上で、他の部署から少し遅れてでも「フェーズ2.0」へと移行していければと思っています。※前編では、Unipos導入背景や活用の工夫についてお話を伺っています。併せてぜひご覧ください。