(写真左から)旭化成ファーマ株式会社 経営統括総部 人事部 部長 北山達哉様(~2025年9月 ※現 旭化成住宅領域 人事部次長)、高比良和俊様(2025年10月~)、 Unipos株式会社 執行役員 ビジネス本部 フロント部門統括 兼 カスタマーサクセス部 部長 岸川京太郎整形外科領域や希少疾患領域などにおいて、イノベーティブな医薬品の開発を通じて人々の健康と生活の質の向上に貢献している旭化成ファーマ株式会社様。旭化成グループの一員としてグローバル展開を進める同社では、2020年の企業理念(MVVS)刷新を機に、「組織全体が一体となり、風通しのよい会社」を目指して組織変革に取り組まれています。その実現に向け、同社が推進したのが、称賛を通じて組織をつなぐ文化づくり。その文化の醸成に向けて、全従業員を対象にUniposをご導入・ご活用いただいています。今回は、Unipos導入の背景や活用の工夫、そして導入後に見られた組織の変化について、旭化成ファーマ株式会社 人事部の北山様、高比良様にお話を伺いました。導入背景——職種・拠点・働き方を超えて「コネクト(つながり)」する組織へ―― 旭化成ファーマ様には、2021年10月にUniposのご活用をスタートいただきました。まず、組織づくりを本格的に進めようと動き出されたきっかけや、当時直面されていた組織課題についてお聞かせいただけますでしょうか。北山様:組織づくりに取り組む最初のきっかけは、従業員のモチベーション向上へのアプローチが必要だと考えたことでした。当時、様々な実態調査や座談会を通じて、「社員が仕事への労いや認められていないという思いを持ち、承認欲求が満たされていないのではないか」という課題が浮かび上がってきたのです。人間は怒られるより称賛される方がモチベーションが上がると考え、称賛するシステムを通じてアプローチすることを検討し始めました。Uniposの導入を検討していた時期は、ちょうどコロナ禍に入った直後でもありました。コロナ禍で社員が会社に来られない状況が増え、黙々と在宅で業務に取り組む中、対面で会えないことによる承認欲求の充足がより難しくなっていました。物理的な距離を超えて、オンラインで社員同士が繋がり、承認し合える仕組みが必要だと感じたことも、Unipos導入を後押しした要因の一つです。―― 加えて、企業理念の浸透や、組織の縦割り化の克服といった課題も同時に解決する必要があったと伺っております。北山様:その通りです。当時、グローバル展開を視野に入れ、ミッション・ビジョン・バリュー・スローガン(MVVS)を再定義するプロジェクトが社長の青木が主導で動いていました。 従来のMVVS はやや長く、社員一人ひとりに浸透しづらいという課題があったため、これを刷新し、全社員が共通の価値観でつながることを目指したのです。新しいMVVSの策定には、風通しの良い企業文化をさらに育むという狙いもありました。Uniposを通じて、社員同士が前向きに称賛し合う文化を根付かせることで、先ほど申し上げたモチベーションの向上と風通しの良さを同時に実現できると考えたのです。また、MVVSの浸透とモチベーション向上に向けた取り組みを同時に進めることで、単なる「ありがとう」や「助かった」といった言葉に留まらず、MVVSに基づいた行動を称えることができ、個人の主観ではなく、会社として大切にしたい価値観に沿った行動への承認が自然と広がることにつながるのではないかという狙いもありました。また、当社は製薬企業という特性上、営業、製造、研究など部門ごとの専門性が高く、かつ全国に拠点が点在しているため、元々縦割りの傾向が強かったのです。リモートワークの増加は、この縦割り化をさらに進行させていました。この縦割り化を乗り越え、組織内や部署間の連携を強化することも重要な課題でした。特に当社の事業では、地域をまたいだつながりが成果に直結することがあります。そのため、各地域のMR同士がしっかり連携することが必要です。Uniposを活用することで、地域や物理的な距離を超えたコミュニケーションがオンライン上で可能となり、こうした“コネクト(つながり・連携)”を促進できるのではないかという狙いもありました。これらの課題を解決し、私たちが目指したいのは、社員が気軽に称賛やナレッジを共有し合える「風通しの良い会社」です。また、称賛文化を根付かせていくことで、社員一人ひとりが能動的に挑戦できる、前向きに挑戦したくなるような風土をつくっていきたいと考えています。 私は、大小や結果を問わず「挑戦したこと自体」を称えることが大切だと思っています。そうすることで、小さな成功体験が自然と共有され、次の挑戦への後押しになっていく。そうした前向きな循環が、最終的には新しい発想やイノベーションの創出にもつながっていくと考えています。全社での導入を決めた理由—決め手は、オープンなタイムラインとTeams連携―― 複数の課題を解決する手段として、Uniposはどのように選ばれたのでしょうか。導入の決め手をお聞かせください。北山様:Uniposを選定した一番大きな決め手は、タイムラインがオープンであるという点でした。多くのシステムが1対1のクローズドなやり取りを主眼としていたのに対し、Uniposは投稿が全社に公開されます。称賛された内容が組織全体に公開されることで、組織内で好事例を出せる人がどこにいるのか?どこを尋ねると自身の課題解決につながるか? などが分かり、Uniposが会社全体の知恵袋としても機能すると考えたのです。また、導入にあたって、当初は一部の部門での試行も検討しましたが、最終的には全従業員を対象に導入することを決めました。これは、旭化成ファーマ全体で“一体感を醸成する”という目的があったからです。導入範囲を限定してしまうと、「この部署に投稿を送りたいのに送れない」という状況が生じる可能性があり、それを避けたかったのです。特に、全国に展開している営業拠点においては、支店や部門を跨いだ連携が多く、“コネクト”を求める声も多くあがっていました。実際に、MR出身の人事部員の声から「Uniposがコネクト醸成にも寄与する」という確認できたことも全社導入を後押しになりましたね。また、当社には「このチームだからこそ、できる」「挑戦に巻き込もう、巻き込まれよう」といったつながりを大切にしたバリューがあります。そうした価値観に基づく行動を可視化し、さらに広げていくためにも、一部の限定運用ではなく全社導入とするほうが、より多くの好事例が生まれ、組織全体に良い循環が生まれると考えたのです。このような背景から、職種、拠点、雇用形態を問わず、旭化成ファーマ全体で連携強化を図るには、全社展開が最適であると判断しました。さらに、当社の運用においては、UniposがMicrosoft Teamsと連携できることも非常に大きな決め手でした。活用—— 運用の鍵は、他施策との連動と“義務”ではなく“自発的な行動”を促す工夫―― 組織課題の解決のためにどのようなお取り組みを実施されているのでしょうか。北山様:私たちは組織課題の解決に向けて様々な方向からアプローチを行っており、そうした取り組みと連動させながらUniposの活用を進めています。例えば、MVVS浸透を目的に、全社員が持ち回りでMVVSをテーマとしたエッセイを投稿する「Re:think ボイスリレー」(Re:think:社員が主体となって旭化成ファーマの未来を共創するプロジェクト)という取り組みを行っています。そのエッセイの最後に必ず「ぜひ、Re:thanx (旭化成ファーマ様社内でのUniposの名称)で称賛のメッセージを送りましょう」という一文を添えており、文章の内容に対する称賛やフィードバックを行う場としてUniposを活用しています。―― Uniposをご活用いただくうえで大切にされていることを教えてください。北山様:Uniposの活用を促進するために、人事部を中心に体制を整え、毎月の社内報「Re:thanx通信」の配信や利用を活性化させるためのキャンペーンを定期的に実施しています。役員にも積極的に参加してもらえるよう働きかけており、実際に役員自らがUnipos上でコメントを発信するなど、組織全体を巻き込む動きにつながっています。また、Uniposの利用を“義務”ではなく“自発的な行動”として根付かせることも重視しています。キャンペーンを実施する際も、報酬は金銭的なものではなく、社内の一体感を高めるためのオリジナルグッズなどに限定していることもこだわっているポイントです。変化①—— 称賛文化が定着し、部署・拠点を超えた連携も強化。MVVS浸透にも効果を実感―― Unipos導入後、組織にどのような変化を感じられていますか。北山様:導入から約4年が経ち、称賛文化が組織に定着してきたと感じています。上司層から活発に投稿が送られるなどマネジメントにおける活用も進んでおり、以前よりもさらに風通しが良くなってきています。 投稿の文字数も増え続けており、ライトな投稿からより詳細なエピソードや背景が伝わる投稿へと変化するなど、活用の質が高まっています。また、Uniposは部署や拠点の壁を越えた連携強化・コミュニケーション活性にも貢献しています。部署や拠点を超えた投稿が多く送られており、メンバー同士の相互理解が進んだり、タイムラインを見ることで、普段見えづらい他部署や他拠点の取り組み・成果を知るきっかけとなったりしているのです。さらに、異動や転勤の際にもUniposがあることで、気軽にコミュニケーションをとることができ、横のつながりを広げる一助にもなっています。加えて、職位を超えたコミュニケーション醸成の実現にも一役買っています。特に経営層の積極的な参加が組織に大きな影響を与えています。例えば、当社社長の青木がすべての投稿に目を通しているなど、役員自らが率先して活用することで、社員から役員へのメッセージも増え、経営と現場の心理的な距離が縮まっています。役員からは、「Uniposを通じて、人間関係やチームの雰囲気が見える」といった評価の声が上がっています。さらに、MVVS浸透促進にもUniposが効果を発揮しています。ラベルにバリューを設定し、そのラベルを付けて投稿を送り合うことで、MVVSに紐づく行動が定式化されるようになりました。たとえば、以前は4人で協力して組織を巻き込みながらプロジェクトを終えても「ありがとう」だけで終わっていた場面が、今ではそのプロジェクトにまつわる良い行動が「挑戦に巻き込もう、巻き込まれよう」「このチームだからこそ、できる」などのバリューのラベルを付けて投稿されるようになっているのです。その結果、「この行動はMVVSに沿っていたのだ」という認識が深まり、社員一人ひとりの意識の中にバリューが刷り込まれるようになりました。このように、これまで見過ごされがちだった日常の行動も、Uniposを通じて定式化されることで、MVVSを意識的にも無意識的にも実践できるようになっています。実際に、社内で取得しているアンケートでも、Uniposの活用によって企業理念の理解と定着が加速していることがうかがえる結果が出ています。 変化②——エンゲージメントスコアは右肩上がりで推移、グループ内でも高い水準を維持。称賛文化が礎に―― 定量的な成果に関してはいかがでしょうか。北山様: 当社グループ独自のエンゲージメントサーベイのスコアは、Unipos導入後から現在まで、全社平均が右肩上がりで推移しており、グループ内でも高い水準を維持しています。特にUniposが貢献しているのは、「上司・部下の関係性の良さ」を示す項目です。Uniposの投稿量が多い部門はエンゲージメントサーベイスコアもより高いというデータも出ており、Uniposの活用データが組織の健康状態を測る指標にもなると感じています。業務量が増え、忙しさが増す中でもスコアが向上し続けているのは、Uniposを通じて築いてきた称賛文化と、これまで取り組んできたさまざまな施策との相乗効果による成果だと考えています。北山様: こうした成果の背景には、Unipos社の皆さんのサポートが大きく影響しています。導入前の検討段階から導入後の運用まで、一貫して非常に丁寧に伴走していただきました。特に導入後は、新しい施策に不慣れな事務局メンバーに常に寄り添いながら、定期的なミーティングでのフォローや、課題解決に向けた分析データの作成、さらには施策のアイデア出しまで、さまざまな面で親身にサポートしていただきました。引き続きこれからもサポートをお願いできればと思っています。 これから——グローバル・ワンファーマに向けて、称賛とつながりの文化をさらに加速させる―― 高比良様は、2025年10月から人事部長に就任され、今後の組織づくりを担われます。Uniposの取り組みや、今後の展望について、お聞かせいただけますでしょうか。高比良様:私が最近まで在籍していたアメリカ子会社でも、従業員のエンゲージメント向上や承認欲求の充足に課題を感じており、良い行動をした同僚に対して同僚同士で表彰をするという社内制度を実施していました。旭化成ファーマに着任してUniposの取り組みを見たとき、改めて上司・部下の関係を超えて同僚同士が称賛し合い、繋がり合うことは、海外を含めた旭化成グループ全体を支える上で非常に重要だと感じました。旭化成ファーマが、これほど大規模に称賛をシステムとして導入し、経営層も後押ししていることは、大きな強みだと思います。高比良様: 旭化成ファーマが取り組むのは、旭化成グループの中でもこれから成長を牽引していく重要な事業です。2026年4月には新たに仲間に加わった海外の会社と共に、日・米・欧の3拠点がワンチームとして連携する「グローバル・ワンファーマ」体制をスタートさせる予定です。これによって、さらなる事業拡大とグローバル展開が期待されています。この大きな変革を成功に導くには、従業員一人ひとりが多くのチャレンジングな課題を乗り越えていく必要があります。新しい環境の中で迷いや戸惑いを感じる場面もあると思いますが、互いに支え合い、助け合いながら前進していくことが何より重要です。“連携の文化”こそが、グローバル・ワンファーマを実現していくための原動力になると考えています。Uniposは、そうした連携を支える「良い関係性の土台」として機能すると期待していますし、私自身も積極的に活用を進めていきたいと考えています。さらに新しく仲間になる海外の会社にもUniposを活用してこの称賛文化を広げていきたいですね。