(写真後列左から)税理士法人ASC 横浜支店・横浜計算センター 副センター長 加藤奈加子様、横浜支店 森田哲矢様、児島健太様、川崎尊様、山口優梨香様、後藤花梨様、佐々木まゆ様、支店長 鵜之沢巧様東京・港区芝浦に本社を置き、横浜にも拠点を展開する「税理士法人ASC」様。税務・会計事務所という、ともすれば個々の作業に没頭しがちで、繁忙期には殺伐とした空気が流れやすい業態において、同法人は一線を画す「明るく相談しやすい組織文化」を築き上げています。その変革の大きな柱となっているのが、2020年から導入されている「ピアボーナス® Unipos」です。これは、良い行動に対して従業員同士が感謝・称賛のメッセージとポイントを送り合う仕組みです。コロナ禍でのコミュニケーション不足、そして多拠点化に伴う「顔が見えない不安」という課題を、同法人はどのように乗り越えてきたのでしょうか。今回は、横浜支店長の鵜之沢 巧様、管理部門として推進を担う加藤 奈加子様、そして現場を支える若手メンバーの皆様に、Uniposがもたらした「感謝の循環」と、それが生み出す採用・定着へのポジティブな影響について、詳しくお話を伺いました。導入背景——コロナ禍の孤独感と「暗黙知」の解消を目指して——まずはUniposを導入された経緯についてお伺いします。2020年9月という、コロナ禍真っ只中での導入だったと。鵜之沢様:きっかけは、クライアントのとある保育園の園長先生からのお話でした。その保育園ではUniposを活用することで、保育士さんの状況をいち早く察知したり、離職防止に役立てたりしていると伺い、弊社の代表の中村が「これは良さそうだ」と即決したのが始まりです。当時はコロナ禍で、社員同士のコミュニケーションが物理的に遮断され、孤独感の増幅や従業員同士のつながりの希薄化が懸念されていました。また、会計事務所という業種特有の課題もありました。私たちの仕事はデスクに向かって黙々と作業する時間が長く、高度な税務判断や会計処理のノウハウが個人の「暗黙知」になりがちです。「誰がこの案件に詳しいのか」「誰が誰を助けているのか」が見えにくい状況を、Uniposで可視化したいという狙いもありました。——税務・会計事務所という専門職集団において、組織作りで苦労されていた点はありますか?鵜之沢様:それぞれが自分の担当案件に集中するため、どうしても「自分の仕事さえ終わればいい」という個人商店化しやすい面があります。しかし、難しい案件が来た時にナレッジの共有が滞ると、組織としての成長が止まってしまいます。Uniposの投稿を通じて「この人はこういう相談に乗ってくれるんだ」ということがオープンになることで、心理的安全性が高まり、相談しやすい土壌ができるのではないかと期待していました。 組織の課題——多拠点化で生じる「顔が見えない不安」をどう乗り越えるか——導入から5年半が経過しましたが、組織の状態に合わせて活用の目的も変化してきたのでしょうか。鵜之沢様:はい。2021年に横浜支店を設立し、現在は本社(港区芝浦)と横浜の2拠点体制になりました。正社員が分散したことで、拠点間での「顔が見えない不安」という、物理的な壁が生じていました。——拠点間のコミュニケーションにおいて、Uniposはどのような役割を果たしていますか?佐々木様:業務上のやり取りはチャットやメールが中心ですが、どうしても事務的になりがちです。 でもUniposがあれば、拠点が離れた先輩にチェックをしてもらった際、「いつも丁寧に見てくださってありがとうございます」とメッセージにポイントを添えて送ることができます。メールよりは軽く、チャットよりは改まった形で気持ちを伝えられるのが心地よいです。年に一度の忘年会でしか会えない本社の方とも、Uniposを通じて普段から人となりを何となく把握できているのは、精神的な距離を縮める上で非常に大きいです。▲佐々木様が別拠点の先輩社員へ送った投稿加藤様:私は以前、パートスタッフとして勤務していました。当時は社員の方と話す機会はありましたが、基本的には目の前の事務的なやり取りのみでした。弊社では、パートスタッフを含めた全社員にUniposのアカウントを付与しています。これにより、雇用形態を問わず「プラスアルファの感謝」を気軽に伝え合えるようになり、組織全体の血流が良くなったと感じています。▲パートスタッフ時代に加藤様へ送られた投稿森田様:私の場合、拠点が離れた本社の方ともUniposを通じて交流が生まれています。例えば、消耗品の注文を担当した際、本社側の担当の方にチャットで質問し、教えていただいたことがありました。その際、Uniposで「教えていただきありがとうございました」と投稿したところ、普段なかなかお会いできない他拠点の先輩とも繋がりを持つことができました。▲森田様が本社のメンバーへ送った投稿活用方法——「一方通行」だからこそ、忙しい時期でも気兼ねなく送れる——税務・会計事務所には「確定申告」という非常に多忙な時期がありますが、そのような中でも継続して活用できている秘訣は何でしょうか。鵜之沢様:私が感じているUniposの良さは、良い意味で「一方通行」であることです。通常のコミュニケーションツールだと返信の負担がありますが、Uniposは送りっぱなしで良い。返信を求めないからこそ、忙しい最中でも「今の行動、助かったよ!」という感謝の気持ちにポイントを乗せて、ポンと送れるんです。後藤様:先輩方が時間と労力を割いて業務を教えてくださった際、その場で「ありがとうございました」と言うだけでは申し訳なさを感じることがあります。かといって、お忙しい最中にわざわざ手を止めていただくのも気が引けます。Uniposであれば、相手の手を煩わすことなくしっかりと御礼を伝えられるため、非常にありがたいです。また、チャットだと一人対一人の密室で終わってしまう場合が多いですが、Uniposのタイムラインで公開されることで、他の人が「あ、あの件、解決したんだね」と気づいてくれたり、「これってどうやったの?」と新たな会話が生まれたりします。情報の拡散力が、結果として組織全体の風通しを良くしていると感じます。▲後藤様が先輩社員へ送った投稿 推進の工夫——投稿数ランキングと独自のインセンティブ制度——ASC様では、導入から約5年が経過した現在でも、Uniposのポイント消化率は全社で約70-80%という高い水準を維持されています。具体的な施策はありますか?加藤様:定期的に全社員の「投稿数ランキング」を集計して一斉メールで共有しています。累計の投稿数や拍手が可視化されることで、「最近送れていなかったな」と気づくきっかけになっています。▲投稿数ランキングを知らせるメール鵜之沢様:さらに、年間で最も称賛文化に貢献した上位者には3万円程度の賞金を出しています。実は以前は年1回の「三賞」という表彰制度がありましたが、年1回だとどうしても直近の4月や5月の出来事に印象が引きずられる「近接効果」の課題がありました。Unipos導入後は、1年間の感謝や貢献がデータとして蓄積されるため、通年の実績に基づいた納得感のある評価が可能になりました。また、活用を促す工夫として、新入社員が最初に行う「スターティングミッション」の中にUniposのログインや初期設定を組み込んでいます。Uniposを活用していくうえで気を付けているのは、強制をしないこと。「ポイントを使わないのはもったいないですよ」とは伝えますが、あくまで楽しみながら使うのが理想です。幸い、今は月間のポイント消化率が非常に高く、自然に感謝を伝え合う土壌ができています。これは、無理に利用を強制するのではなく、私も含め上層部が率先して「ようこそ」や「お疲れ様」を投稿し続けてきたことも、少なからず良い影響を与えているのではないかと感じています。▲鵜之沢様が送った実際の投稿若手の視点——「これで良かったんだ」という安心感が、成長の糧になる——新卒で入社された若手の皆様にとって、Uniposはどのような存在ですか。川崎様:入社したばかりの頃は、自分のやっていることが正しいのか、誰かの役に立っているのか不安でした。でもUniposで先輩から「ありがとう」と送ってもらえると、「あ、これで良かったんだ」と答え合わせができたような安心感がありました。何気ない掃除や準備を見ていてくれる人がいると分かるのは、すごくモチベーションになります。▲先輩社員から川崎様へ送られた投稿 児島様:上司からの称賛は大きな自信になります。自分で考え抜いて作成した顧客宛てのメールについて、CCに入っていた上司からUniposで「あのメール、すごく良かったよ」と褒められたことがありました。オープンな場での称賛は、自分のやり方が間違っていなかったという確信に繋がりました。▲上司から児島様へ送られたUnipos投稿山口様:精神的な支えとして、救われたこともあります。決算対応で業務が逼迫し 、自分だけでは抱えきれずに周囲に頼ってばかりで落ち込んでいた時、先輩や上司からUniposで「本当にお疲れ様。よく頑張っていたね」と言葉をかけていただき、その一言で救われ、前向きな気持ちになれました。▲決算期に、上司から山口様へ送られた投稿森田様:会社にSNSのようなツールがあること自体、最初は新鮮でした。先輩たちが些細なことでも送り合っているのを見て、心理的安全性が高い職場だと感じ、すぐに馴染むことができました。同期とは別の拠点に分かれていますが、タイムラインを見て刺激を受けています。マネジメントへの効果——一対一では見えない「意外な一面」の可視化——管理職の視点から、Uniposがメンバーの把握に役立っていると感じる場面はありますか。鵜之沢様:たくさんあります。私に見せる顔と、同期や後輩に見せる顔は違います。Aさんが同期に対して親身にアドバイスをしている姿は、私との一対一の面談ではなかなか見えてきません。Uniposの投稿を見ることで「この人はこんなに周りをサポートしてくれているんだ」という意外な一面や具体的な貢献が可視化されるので、評価の際の貴重な補足情報になっています。 加藤様:パートスタッフの方々にとっても、Uniposは大きな意味を持っています。直接お客さまと接する機会が少ない分、内部の社員からの「助かりました」という一言がやりがいに直結します。実は、ポイントをもらった数の上位にパートスタッフが入ることも非常に多いんです。ポイントをもらえること以上に、言葉から価値をもらっていると感じます。▲パートスタッフの方へ送られた投稿採用への影響——「殺伐としていない」ことが、強力な差別化ポイントに——採用活動においても、Uniposが良い影響を与えているとお聞きしました。加藤様:新卒の会社説明会アンケートなどで「Uniposのことを詳しく聞いてみたい」という声が本当に多いんです。会計事務所というと「黙々と計算する、硬い場所」というイメージを持たれがちですが、感謝を伝え合う制度があることで、そのイメージをポジティブに覆すことができています。人的資本経営の一環として、人への投資を大切にしている姿勢が伝わっているのだと思います。鵜之沢様:中途採用でも、過去に別の事務所で「仕事の押し付け合い」や「殺伐とした空気」を経験してきた人からすると、弊社のUnipos文化は非常に魅力的に映るようです。「ありがとうと言い合える環境で働きたい」という志望動機に繋がっています。これからの展望——「遊びの余裕」が、次なる投資と成長を生む——最後に、税理士法人ASC様が目指す、これからの組織のあり方について教えてください。鵜之沢様:私たちはメーカーではないので、「人」と「組織」がすべてです。人が増えれば、インフラとしてのルールやITツールへの投資は欠かせません。1つのインフラを整えることで、80人の社員全員がそのメリットを享受できれば、それは大きなレバレッジになります。そして何より、仕事は人生の大部分を占めるものです。楽しく仕事ができなければ意味がない。私はよく「遊びの余裕」と言っていますが、心に余裕があるからこそ「新しいことをやってみよう」という前向きな意欲が生まれます。個人の確定申告の新規案件をあえて受けないという決断も、すべては社員が追い詰められず、互いを助け合える「ゆとり」を作るためです。——Uniposは、その「ゆとり」を維持するための装置でもあるのですね。鵜之沢様:その通りです。Uniposを通じたコミュニケーションも、まさにその環境づくりの一環です。日々の些細なことでも感謝や称賛を伝え合うことで、社員が精神的な「余裕」を持てる環境に投資することができます。人生の大部分を占める仕事の時間を、全員がいかに生き生きと楽しく過ごせるか。そうやって全員が余裕を持って働ける環境づくりを続けることが、新しいアイデアを生み、最終的には会社としての大きな成長や利益に繋がっていくと確信しています。税理士法人ASC 代表社員 中村健一郎様からのコメントUniposは電話やメールよりも心理的ハードルが低く、手軽に「ありがとう」を可視化できる手段になっています。付与されたポイントはAmazonやGoogle Playのギフト券など、週に400円相当程度の報酬と交換できます。この「高すぎず安すぎず」という設定が、見返りを目当てにしすぎない絶妙なバランスとして機能しています。Unipos活用最大の効果は、従業員が「良い行い」を探そうと、職場のポジティブな側面に目を向けるようになったことです。タイムラインに「良い話」しか表示されないため、社内全体に明るい雰囲気が保たれています。また、評価面にも良い影響を与えています。以前のアンケート形式の評価では、どうしても期間の終わりに評価が集中してしまいましたが、Uniposは毎週継続して運用できる点が非常に優れていると感じています。さらに、システム面での優位性も感じています。自社で同様のシステムやフォーム作成などを行うよりも、Uniposは明らかに洗練されていて運用を継続させやすい。同様のシステムを社内で運用しようと思うと、大変です。一方、Uniposは外部でしっかりと運用され、使いやすいシステムとして提供されているため、社内での集計などの手間がなく、誰もが継続して利用しやすいことも大きなメリットとなっています。