(写真左から)Unipos株式会社 カスタマーサクセス 折田稜介、組織コンサルタント 長澤亜伊羅、ジャパンフリトレー株式会社 生産本部 生産支援課 服部章様、生産本部 本部長 白橋弘光様マイクポップコーン、ドリトス、チートスなどの人気スナック菓子を製造・販売する、ジャパンフリトレー株式会社様。中長期経営計画と同時に、パーパス・バリューを策定後、現在は浸透・体現に向けた活動を進められています。その一環で「称賛によって良い行動を引き出す」ツールとしてUniposを導入し、様々な施策と掛け合わせながらご活用いただいています。Uniposをはじめとするパーパス・バリュー浸透のお取り組みとUnipos社の支援内容について、生産本部 本部長 白橋弘光様、生産本部 生産支援課 服部章様にお話を伺いました。導入背景——新たに策定したパーパス・バリューの浸透・体現を促すために最適なソリューションとしてUniposを導入―パーパス・バリューを策定されたきっかけを教えてください。白橋様:2023年に中長期経営計画を作ったタイミングで、戦略を実行し、持続的に成長するためには、企業理念が必要だと考えたことがきっかけです。弊社は強みをたくさん持っており、ブランドもグローバルで考えると認知度も高い。一方で部門間連携がうまくいっていないケースもあり、全社で強みが活かされていないような状態でした。このような状況を打破し、良さを最大限活かし目標を達成するためには、チーム一丸となることが必要不可欠です。そのために、全従業員の道標・土台となる「パーパス」とパーパスを実現するための価値観・行動指針として「バリュー」を策定しました。―パーパス・バリュー浸透のために、様々な施策を進められている中で、Uniposをご導入いただいた理由を教えてください。白橋様:パーパス・バリューの策定後、理念浸透のためのプロセスを経営陣で作成し、それに沿って、社内から手挙げ制で募ったアンバサダーの皆さんに施策を進めてもらいました。例えば、最初のステップである「認知・理解」を進めるために、名刺やオンライン画面の背景にパーパス・バリューを記載するという取り組みを実施。そのような活動を通じて、認知・理解が深まったことで、次の「行動」フェーズに向けて動きを進めることになりました。そのタイミングで、アンバサダーから「バリューに沿った行動を定着させるためには、その行動を称賛する仕組みが必要だ」という提案があったのです。そこで、私がアンバサダーに紹介したのがUniposでした。私はUniposを以前から知っており「称賛システムとしてだけでなく、経営理念や戦略に対する共感を促すツールとしても優れている」と感じていたからです。アンバサダーの皆さんとともに他施策と比較・検討した結果、Uniposが最適だという結論に至り、導入を決定しました。▲理念浸透プロセスと各施策の位置づけ―他施策と比較・検討する中でUniposを選んでいただいた決め手をお伺いできますか。白橋様:実は過去に、営業支援ツールを導入した際に、営業活動の成功事例をチャットで共有することでタイムリーに横展開を図ろうと取り組みましたが、うまく定着しませんでした。要因の一つに発信者に対するリアクションや称賛が少なく、発信者のモチベーションがあまり上がらなかったということがありました。一方、Uniposは自らの行動を投稿したり、アピールするのではなく、周囲の人がちょっとした良い行動や素晴らしい取り組みを見つけ、その行動をした方に対して称賛を伝えます。また、第三者から良い行動をした人だけでなく、それを見つけて投稿した人にも称賛がある仕組みです。他のチャットツールも検討しましたが、このユニークな仕組みはUniposだけでした。この仕組みを使えば組織文化が変わると期待し、導入を決定しました。活用方法——パーパス・バリューを具体的な行動に紐づけ、イメージしやすいように―Uniposの浸透・活用に向けてどのようなことを実践されたのでしょうか。白橋様:社内報で企業理念浸透活動やUniposの活用方法等紹介したり、休憩室のサイネージにもUnipos情報を掲載したりしています。さらに、企業理念浸透を推進する理念浸透第2期アンバサダー Unipos全社展開チームの皆さんで管理職向けのワークショップを企画し、実施しました。ワークショップ内容の検討に当たり、事前にUniposをあまり活用していない管理職に直接ヒアリングを行い、活用への問題や課題を解消するようなコンテンツを企画しました。また、「どんな行動に対して投稿すればよいかわからない」というような声には、社内用に開発された生成AIシステムを活用し、投稿が多い管理職の投稿内容から投稿ヒントとなる行動や感情を抽出しワークショップで共有しました。▲Unipos浸透・活用に向けた様々な取り組みーパーパス・バリューの体現行動を増やしていくために、Uniposをどのようにご活用いただいたのでしょうか。白橋様:浸透活動を始めた当初は「POP innovation」というバリューに対して、工場では「安全・安心の基本ルールに沿って生産し続けることがミッションだから、このバリューはあまり関係ない」という意見もありました。それに対して、推進チームが「バリューにあるイノベーションは、発明・革新のような高尚なものだけでなく、日々の小さな工夫やちょっとした改善等の意味合いも含んだイノベーションなんだよ。」 と伝え、日々のちょっとした工夫や改善行動に焦点を当てたUnipos投稿を行うように促しました。その結果、工場の従業員からも「この行動もイノベーションですね」という声が自発的に上がるようになり、理解を深めることができましたね。また、Uniposを活用した期間限定ハッシュタグキャンペーンも実施しています。弊社は、スナック菓子メーカーですので、お客様へ安全・安心な商品を届けるために日々食品安全に取り組んでいます。そこで、生産現場での品質向上に関わる良い行動を見つけタイムリーに称賛することで、良い行動への意識が高まるのではと考えました。しかし、工場全体に一斉に良い行動を促すには、三交代制シフトで働いている方もいるので難しい面もあります。そんな時、活用したのがUniposでした。従業員に対し一斉にコミュニケーションが取れるツールであり、良い行動や模範になる行動を発信できるプラットフォームだったので、工場全体に品質向上に関わる良い行動を広げていけるのではないかと考え、期間限定ハッシュタグを作成し、期間限定ハッシュタグキャンペーンを実施しました。キャンペーン期間終了後に投稿された良い行動の中で拍手が多く共感を生む内容の投稿者を表彰するような取り組みも実施しました。成果①——予想以上に初日から活用が進んだ。パーパス・バリュー浸透にも手ごたえが―Unipos活用の結果生まれてきた変化について教えてください。白橋様:まず驚いたのは、導入初日からUniposの投稿が多数集まったことです。生産現場では、業務中に会話をすることが少ない中で、ちょっとしたお礼やアドバイスに対し感謝を伝えるようなコミュニケーションを取りたいというニーズにUniposが合致したのだと思います。 「生産現場には社用パソコンを貸与されていない方も多く、浸透は難しい」という懸念は、良い意味で瞬時に裏切られました。服部様:Uniposの活用を進める中で、私たちの企業理念の一つであるバリューの総称「1B4P」が工場メンバーの通常の会話の中で頻繁に出てくるようになりました。工場の従業員は社用PCを貸与されていない方が多いため、企業理念が記載されたオンライン画面の背景やメールの署名欄を利用することができません。そのため、Uniposを通じて企業理念に触れる機会が他の職種と比べて相対的に多い状況です。こうした状況下で、企業理念に関する会話が増えているのは、Uniposの効果であり、企業理念の浸透を強く後押ししてくれていると感じています。今後も活用し続けることで、さらに企業理念の浸透が進むのではないかと考えています。▲「1B4P」のハッシュタグがついた投稿―部署・拠点を通じたやりとりについてはいかがでしょうか。白橋様:業務上、一部署だけで完結する仕事は少なく、実際に営業部門が売る商品ができるまでに、マーケティング部門が企画を立て商品を開発し、生産部門が商品を作り、サプライチェーン部門が運ぶというように、さまざまな部署が関わっています。そのため部署を超えた会議や打ち合わせが頻繁に行われており、そのタイミングで「協力してくれてありがとう」という投稿が生まれる機会が多いですね。Uniposというプラットフォームができたことで、部署をまたいだコミュニケーションが活発になり、感謝の言葉を伝える機会が増えました。▲工場見学の際に、営業部門メンバーから生産部門メンバーに送られた投稿▲営業部門メンバーから物流部門メンバーへフロー改善への感謝が送られた投稿さらに、入社した方が職場に馴染みやすくなることにもUniposが一役買っています。例えば、中途で入社した営業の方が自身の行動に対して他部署から称賛や感謝のコメントをもらったことで、「不安だったけど、この行動は間違っていなかったんだ」と自信を持つことができ、職場に早く馴染めるようになったというエピソードを聞いたことがあります。成果②——実際の現場社員も企業理念の浸透を実感。業務中に伝えきれない、感謝や称賛を伝える場としても役立っているUnipos活用による変化は、工場現場でも生まれています。実際に現場でご活用いただいている、生産本部 生産支援課 中川さゆり様、生産本部 製造・技術部 製造課 吉田夏綺様、生産本部 製造・技術部 製造課 八城裕幸様にお話を伺いました。 ―Uniposを導入すると聞いたときの印象と使った後の印象について教えてください。吉田様:私は中途社員なのですが、以前の会社にはUniposのような称賛し合うツールはなかったので新鮮でしたし、ポイントがAmazonギフト券などに還元されることにも興味を引かれました。普段の仕事は作業場所が常に同じなので、通りすがりに助けてくださった方の名前を覚える機会があまりありません。そんな時に、Unipos上で検索すると、プロフィールや過去の投稿から「この人はここで働いていて、こんなことをしているんだ」ということを知ることができます。Uniposを見ることが、普段関わりのない場所で仕事をしている方の顔と名前を覚える良い機会になっており、非常にありがたいですね。八城さん:正直に言うと、初めは「また何か面倒なことが始まるな」と思いました。しかし、実際にUniposを使ってみると、業務中に伝えられなかった感謝や称賛を伝えられたり、これまで関わりがなく知らなかった部署の様子や情報を知ることができたりして、どんどんUniposが良いものだと思うようになりました。―Unipos導入後に感じている変化を教えてください。八城様:「1B4P」のハッシュタグを使って、一部の人だけでなく、皆に「身近に働いているメンバーの良い行動」を知ってもらうことができるようになったのが良い変化だと思います。また、役職者から現場へのメッセージがこれまでに比べて増えてきたと感じます。管理職の方からUniposで感謝・称賛のメッセージをもらえると、現場のモチベーションアップにもつながるので、さらに管理者の方々にも積極的に使ってもらいたいですね。中川様:「ありがとう」という軽い一言が、Uniposを使うようになってからは「あなたがこうしてくれたおかげでこうなった」という具体的な感謝の言葉に変わったことが自分の中で大きな変化です。また、企業理念のハッシュタグを使った投稿が多く生まれており、企業理念の浸透にUniposが非常に有効だと感じています。Unipos社の支援——自社の状況に寄り添い、真剣にサポートしてくれた―弊社のサポートがお力添えできたことがあれば教えてください。白橋様:導入前の段階で営業の長澤さんにお世話になりました。当時の弊社の状況を鑑みて、私たちの想いを汲みながら、Unipos導入のプランを提案してくださり、社内での導入理解を得ることができました。導入後にはカスタマーサクセスの折田さんにサポートいただきました。「こんなことがしたい」という漠然とした相談にも真剣に考えてくれ、他社事例を中心に判断材料を共有してくれました。そのサポートがあったからこそ、弊社の事務局チームがしっかりと考えることができ、自社内にも展開することができたのだと思います。服部様:オープンチャットの仕組みが初めての取り組みだったため、運営方法が分からないことが多々あったところを、Unipos社の皆さんにサポートいただきました。例えば、先ほどお話した「品質向上のハッシュタグキャンペーン」。実施にあたって、折田さんには何度も相談させていただきました。その際、他社の事例をお話しいただいた上で私たちの背中を押してサポートしてくださったので、大変助かりました。―Uniposでわかる定量データについてはいかがでしょうか。服部様: Unipos上のアナリティクス機能を、次の施策を考えるヒントとしても活用しています。弊社では、パーパス・バリューのハッシュタグをUnipos上に登録し、部署ごとに毎月どれくらいの投稿が集まったかを集計しています。この数値を見ることで「この部門では、〇〇というバリューの理解は進んでいるが、■■というバリューへのイメージがつきづらいようだ」という特徴が分かります。その数値をもとに理解が進んでいないハッシュタグのキャンペーンを実施するなど、施策に活かしています。これから——理念浸透の次のステージに向けて―組織づくりを進めていくうえで大切にされていることはありますか。白橋様:「変化を楽しむ」ということを大切にしています。変わることはそれ自体がネガティブ要素満載。「変わらなきゃいけない」と言われても、変わった先に「何かいいこと」がないと動けないのが、人間です。だから「変わったことによる”いいこと”」に目を向けられるようなメッセージの発信が重要になります。「変わりましょう」ということを伝えるだけでなく、変わった先にある「いい未来」をストーリーとして伝えることを心がけています。―今後のUniposの活用についてお考えのことを教えてください。服部様:これから理念浸透の次のステージがどんどん出てくると思います。その次のステージでもUnipos社の皆さんのお力もお借りしながら、Uniposを活用していきたいと考えています。白橋様:Uniposがユニークなのは「行動データが溜まる」こと。行動データを分析するためには、通常であれば複数のアンケートを取る必要がありますが、Uniposがあればその必要はありません。この行動データを社内用に開発された生成AIを活用し分析することで、理念浸透にとどまらない活用ができると思っています。従業員のモチベーションを上げるソフト面と行動データというエビデンスのハード面双方をベースに、より良い組織や職場環境作りの材料として活用していきたいですね。