▲左より、株式会社日阪製作所 熱交換器事業本部 プレス職場 太田様、Unipos株式会社 カスタマーサクセス 亀井、株式会社日阪製作所 熱交換器事業本部 プレス職場 坂本様、中野様 日阪製作所は、大阪府に本社を持つ、プレート式熱交換器やレトルト調理殺菌装置・医薬用滅菌装置・染色仕上機器・ ボールバルブなど衣・食・住・医薬・環境・エネルギーの各分野にわたって事業を展開する専門メーカーです。2018年に「働きがい支援室」を立ち上げて社員のウェルビーイングに注力、2021年からは経営理念を刷新し理念浸透に取り組む同社。それら活動の一環として、2020年よりUniposを導入しています。導入から3年経ちUniposは「組織の土台」として着実な成果をあげていますが、導入当時からの変化はあったのでしょうか。現場で働く社員5名(株式会社日阪製作所 熱交換器事業本部 プレス職場 坂本様・中野様・太田様、同社 熱交換器事業本部 ITプロジェクトチーム赤田様・栗駒様)にリアルなお話をお伺いしました。※2021年の導入初期のインタビューはこちら課題——社内の閉塞感・中途社員との価値観ギャップ 日阪製作所が取り扱っているのは、日本の「衣食住」全般を支える産業機械です。安全安全を第一に考えなければならない事業の性質もあってか、同社には真面目で保守的、自分の仕事に集中する社員が多いといいます。そうした文化は良い面を持ちつつ、一方で部署・チームを越えたコミュニケーションや連携が生まれづらいという課題も抱えていました。太田様「特に現場の人間は、毎日同じメンバーで働くため、どうしても組織間のつながりが少なくなりがちです。たまに別組織の人と会う機会があっても、どういう人なのかわからないということが多かったです」決して仲が悪いわけではなく、むしろ同僚への関心はある状態。しかし、日常的に知る機会がなかったため、どうしてもコミュニケーションが内向きかつ職場単位になる傾向があった——以前の同社のカルチャーは良くも悪くも「昭和的村社会」だったといいます。特にそれを感じていたというのは、中途で入社された赤田様でした。赤田様「入社して最初に感じたのは『閉塞感』でした。例えば、Office365の社員プロフィール欄に顔写真を登録するルールがなく、中途入社者は相手の顔と名前が一致しない状態からコミュニケーションをとり始める必要があり、入社当時は困った記憶があります」他にも、会社としては「自分の仕事に意義を感じている人が少ない」という課題を認識していたといいます。特に、生産管理や検査といった部署は、重要な仕事を担っているにも関わらず「できて当たり前」と見られがちでした。一方、組織には変化も起こっていました。2017年に100周年である2042年に向けた長期ビジョンを策定、既存事業の拡大や新規事業を推進できる即戦力人材を求めて中途採用にも力を入れていったのです。人材の多様性が生まれたことで、社内で新たな課題が見えてきました。新卒入社の社員と中途入社者、両者の「当たり前」の価値観に大きなギャップが発生したのです。そんな中、コミュニケーションが内向きなことで、中途社員が環境になじめず辞めてしまうという事象も発生していました。導入の成果①——理念を「日常的な行動」に紐づけて考える習慣ができた これらの組織課題を解決し、長期ビジョンを達成するため2021年にボトムアップのプロジェクトによって初めて経営理念が刷新されました。新しい理念である『HISAKA MIND』の中の「五原則」には、社員のあるべき姿として「同心協力(心を一つに、皆と力を合わせて物事に取り組むこと)」や「自利利他(自分の利益は他人の利益、他者に貢献することが自分の幸せ)」などが設定されています。これらの理念を組織に浸透させ、理念に沿った行動を増やすことを目的に、2022年からはUniposにて五原則と行動指針に関するMVP投稿の表彰をスタート。成果は徐々に現れました。理念を登録したハッシュタグを用いて投稿を送ることで、社員の目に触れる機会を増やし、さらに理念を体現する行動を可視化する役割を果たしたのです。具体的なエピソードとして挙がったのは、ITプロジェクトチームによる基幹システム刷新プロジェクトに関する出来事でした。同プロジェクトチームの赤田様は、「当初、プロジェクトに対して社内で協力的でない人もいた」と話します。しかし、基幹システムの刷新は日阪製作所としての方針に基づいた重要なプロジェクト。そこで、プロジェクトに関する投稿に経営理念や行動指針に紐づけたハッシュタグ“#やりきろうHERP”をつけて投稿。これにより、やりとりを見ている周囲の従業員に対して「会社としてこの方向に向かっている」というメッセージを発信でき、協力をあおぎやすくなったそうです。赤田様「結果として、周囲が協力的になり『みんな変わろうとしているんだな』と実感できました。Uniposがあることで周りを巻き込みやすくなりましたね。1対1に閉じず、第三者まで伝えることができる点が大きなメリットだと思います」また、プレス職場の太田様は、理念浸透の効果についてこう語りました。太田様「まず、Uniposによって、理念を目で見る機会が増えました。さらに、目で見るだけでなく『どれだけ記憶に残るか』が重要だと思うのですが、Uniposでハッシュタグを使うことによって『この理念はどういう意味なんだろう』と考えるステップが挟まります。ただ見るだけでなく、理念浸透が一歩先に進むきっかけになりました。また、理念ハッシュタグのついた投稿をもらうと、『自分は体現できていたんだ』という気付きにもなります」Uniposで理念を目にする機会が増え、さらに「日常的な行動」と「理念」を結びつけて考える習慣ができたことで、理念浸透が進んでいます。▲工場にてUniposが使われている様子導入の成果②——組織間での相互理解・コミュニケーション促進もちろん理念浸透だけでなく、コミュニケーション活性化にも大きな成果が表れています。プレス現場の中野様は、導入当初「うちがこんな施策を導入するのか!」という驚きがあったとのこと。同時に、「会社として本気で課題に向き合っていくんだ」という社としての覚悟も感じたそうです。特に、中途社員の赤田様は「こんな施策を待っていた!」と膝を打ったといいます。というのも、当時情報システム部として入社した赤田様は、他の社員がどんな人なのか・どんな仕事をしているのか分からないことが、業務上のコミュニケーションに差し障っていました。そこで、あらかじめ相手のUniposを見ることで情報を得てから打ち合わせなどに臨むという活用をしたのです。赤田様「プロフィールページで出身地を見ておいて話題にしたり、もらっている投稿を元に話を広げたりと、Uniposがコミュニケーションのフックになってくれるんです」また、多かった声は「拍手を通じてつながりを感じられる」という点でした。拍手はワンクリックで気軽に称賛の気持ちを送れる機能。誰が拍手してくれているかを見ることで、直接やりとりがない人とも、部署や拠点を超えてつながりを感じられています。坂本様「投稿を見て『この人たちはこんな間柄だったんだ』ということが知れたり、『トラブルがあったんだな』などと社内のできごとを知るきっかけになっています」太田様「感謝以外にも、『すごい』『頑張ってるね』といったエールの言葉が送られることもあります。そうした投稿をもらうと、成長を実感します」また、プレス職場・ITプロジェクトチームの両者に共通していたのは、「Uniposをアピールの場に使っている」ということ。「Uniposで投稿が送られると『こういう頑張りや貢献をしていた』ということが全社に可視化されるため、上司に知ってもらえる機会にもなる」という声もありました。こうした副次的な効果も生まれています。おわりにかつて社内を覆っていた閉塞感が薄まり、これまでよりも社内に協力的な雰囲気が漂うようになってきた同社。その結果、社員の挑戦を後押しするカルチャーも醸成されてきています。栗駒様は、「以前はミスしたら怖いから、と一歩が踏み出せないことが多かったように思います。今はUniposによって築かれた感謝・称賛文化が背中を押してくれるようになり、『まずはやってみよう』と思えるようになりました」と語りました。経営理念『HISAKA MIND』が社内に浸透し、理想とする組織風土が実現する日も近づいています。▲左より、株式会社日阪製作所 熱交換器事業本部 ITプロジェクトチーム 赤田様、栗駒様▼組織風土改革に特化したメディア「UNITE powered by Unipos」では、理念刷新のプロジェクトなどについて、宇佐美社長よりお話いただいています。併せてご覧ください。【本文はこちら】