(写真左から)株式会社アイル 経営企画部 広報・IR企画課 主任 三門明怜奈様、取締役副社長 岩本亮磨様、Unipos株式会社 カスタマーサクセス 野村有里 法人向けに業務管理のシステムを開発・提供する株式会社アイル様。同社は創業以来、「文化は戦略に勝る」という信念のもと、社員、顧客、株主すべてと「長く付き合う」関係性を築き上げてきました。テレワークの開始をきっかけにUniposを導入してから約5年。組織規模が拡大し続ける中でも、アイル特有の文化はなぜ維持され、強化されているのか。今回は、取締役副社長の岩本様、経営管理本部 総務部 部長の山中様、システムプロダクト本部 アイルサポートセンター 部長の新井様、経営企画部 広報・IR企画課 主任の三門明様の4名に、組織づくりへの想いとUnipos活用の現在地、そして活用による変化についてお話を伺いました。 組織づくりの背景——「企業文化は戦略に勝る」を信念に、顧客・社員と「長く付き合う」ための土壌を創る――まず、貴社の組織づくりにおける全体像や、企業文化に対する考え方についてお聞かせください。岩本様: 当社の代表は、「企業文化は戦略に勝る」という話をよくします。どれだけ優れた戦略があっても、それを実行するのは「人」です。企業として目指すゴールを全員が理解し、同じ方向を向いて動くことこそが、最もエネルギーを発揮しやすい状態だと考えています。だからこそ創業当時から、企業文化を育てることには特に重きを置いてきました。理想の組織状態について明確な数値目標があるわけではありませんが、売上・利益が伸びながらも、エンゲージメントスコアが高く、離職率が低い状態が、社員が納得感を持って働けている一つの証だと捉えています。また、代表が掲げる「社員を『プチ経営者』として育てる」という方針のもと、マニュアルで縛らず自律を促す文化が根付いています。社員が自律的に考えるためには、会社の現状を正しく把握している必要があります。そのため、経営情報の積極的な発信や、現状を理解するための施策実施を重視しています。――アイル様では「長く付き合う」という価値観を大切にされています。その背景を教えてください。岩本様:当社の核である基幹システムの性質上、お客様とは5年、10年単位の長いお付き合いになります。そのため、あらゆる物事を「長く付き合う」ことを前提に設計しています。採用においても「バリバリ稼いで独立したい」という人よりは、「素直でピュアな心を持ち、私たちと一緒に同じ方向を向いて取り組んでくれる方」を採用しています。社員と長く付き合う姿勢は、結果として「担当者が変わらない」という当社の強みにもなっています。転勤や異動がほとんどなく、特定の業種に精通したメンバーが現場に残り続けることで、 お客様には「10年前のことを知っている担当者がいる」という安心感を提供できています。さらに、この考え方はお客様に対しても同様で、長く効果的にシステムを運用いただけるよう、提案時におけるお客様の業務内容の分析や導入後のサポート体制の整備に注力しています。――「長く付き合う」ことと上場企業として求められる短期的な成果のバランスはどう保たれているのでしょうか。岩本様: 毎月の予算達成に対しては極めてシビアです。やるべきことはきちんとやる、という姿勢は徹底しています。しかし、有事の際には、迷わず人間優先の判断を下します。例えば、能登半島地震の際、役員会で支援を提案したところ、満場一致ですぐに寄付が決まりました。「困っている人がいたら助ける」「経営陣が覚悟を持てばいい」という判断が即座にできるのが、アイルらしさだと思います。私たちの判断基準は常にシンプルです。「それは会社を伸ばすか」「お客様や社員を幸せにするか」。 その答えがYESなら、たとえ時代と逆行していても迷わず実行します。きちんとやるべきことを見定めて、外部に何を言われても、揺るがない気持ちを持つこと。それが私たち経営陣の果たすべき役割だと考えています。活用——コロナ禍における組織文化維持の危機感から導入。Uniposを起点に組織づくりプロジェクトが発足――Uniposを導入されて約5年になりますが、当時の導入背景を改めて教えてください。岩本様: もともと社内には、紙のカードに感謝や個人の活躍を書いて壁に貼る「ファインプレーカード」というアナログな仕組みがありました。しかし、コロナ禍でテレワークが導入され、社員同士が顔を合わせなくなる中で、「当社が大切にしている考え方を体現している姿を、タイムリーに共有しにくい」「他部署の動きや活躍が見えづらい」という課題が生まれたのです。また、私たちは「正直者が馬鹿を見ない会社」でありたいと強く思っています。数字には表れにくいけれど、裏で支えてくれている管理部門や、泥臭く頑張っているメンバーにスポットライトを当て、その努力が報われる形を作りたい。そう考えて導入を決断しました。――そうした組織文化醸成の取り組みは、特定の部署が担当されているのでしょうか。岩本様:特定の担当は決まっていないですね。役員が現場から聞いた声や、エンゲージメントサーベイのフリーコメントなどを参考にしています。 社員が「他社ではこういう制度があるらしいです」「こういうことできませんか?」と自由に書いてくれるので、それらの声を拾い上げて、役員ミーティングで議論して決めています。――現場への浸透や、具体的な実行体制についてはどのようになっているのでしょうか。岩本様: 以前は「思いついた人がやる」というスタイルでしたが、現在は、「コミュニケーション活性化プロジェクト(コミかつ)」というチームが動いてくれています。 当初はUnipos浸透のためのプロジェクトチームでしたが、利用が安定してきたこともあり、社内全体のコミュニケーション活性化について考える組織へと進化しました。――徐々に運営体制が変化していったのですね。岩本様: はい。これは本当にUniposのおかげですね。導入時、Unipos社からの提案で部署横断のプロジェクトを組んだのですが、その経験を通じて社内に「部署を超えて動くのって面白い」「横串の連携っていいな」 という感覚が社内に生まれたんです。 Uniposの導入があったからこそ、「コミかつ」のような新しいプロジェクトを立ち上げる土壌ができたのだと思います。――「コミかつ」は、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。岩本様: チーム発足時、メンバーにはあえて「Uniposという枠組みを一度外して、広い視点で考えてみてほしい」とリクエストしました。すると、彼らから非常に面白い気づきが出てきたんです。その中の一つが、「良いコミュニケーションが生まれるかどうかは、お互いをどれだけ知っているかで決まる」という視点でした。 例えばUniposでも、知っている相手ならコメントしやすいし、拍手やリアクションも送りやすい。そこで、Uniposをより活性化させるためにも、「まずは社内でお互いを知る機会を増やそう」という方針が固まりました。そこから、「社内で繋がることは、仕事のやりがいや充実感にも繋がる」という共通認識も生まれ、現在は社員同士のリアルな接点を創出するための企画・運営を行っています。 Unipos導入による変化①——拠点や部署を超えて活躍が可視化され、一体感を醸成。管理部門の「見えづらい貢献」も可視化し、モチベーション向上に寄与――導入から5年が経ちますが、組織にどのような変化や効果を感じていらっしゃいますか。山中様: まず、拠点や部門を超えた情報の共有が進みました。 コロナ禍以前は、受注が決まるとフロア全体で共有する文化があったのですが、それがUniposによってオンライン上で復活し、リアルタイムで拠点を越えて全社に共有されるようになったのです。例えば「新人が初受注しました!〇〇さんのサポートのおかげです」といった投稿が流れると、離れた拠点にいる同期や、直接関わりのないメンバーもその活躍を知ることができます。これまで個別のチャットで埋もれていた称賛がオープンになることで、組織の一体感醸成に繋がっていると感じています。▲新人の初受注を称賛する投稿山中様: 社内報でもUniposの投稿を取り上げることがあるのですが、社内報の記事をきっかけにUniposが盛り上がったり、Uniposの投稿きっかけで社内報が読まれたりする相乗効果も生まれています。岩本様: 意外な人から投稿をもらうのも嬉しいですよね。 例えば、私が管轄しているマーケティングチームが広告を出した時に、他部署の社員から「あそこで見ました!すごいです!」と投稿が届くことがあります。これは業務連絡用のチャットでは起き得ない、Uniposならではの体験だと思います。▲岩本様のチームに送られた実際の投稿▲普段業務上で関わりの少ない意外なメンバーからの投稿新井様:Uniposを自分たちの手で「育てている」という感覚が非常に強いですね。当初はシンプルに「感謝を伝えよう」というところからスタートしましたが、浸透するにつれて、「どう使いこなすかは自分たち次第だ」というマインドが自然と醸成されていきました。現在は、単に感謝を伝えるフェーズを超えて、「みんなで次に何を探求していくか?」という前向きな姿勢に変わってきています。例えば、投稿の書き方一つとってもそうです。「伝えたい相手だけでなく、読み手である第三者にも状況が伝わるように書こう」といった、周囲を意識したコミュニケーションへと、自然にステップアップしていると感じています。――管理部門やサポート部門など、数字での貢献が見えにくい部署での変化はいかがでしたか。山中様: 私たち管理部門にとっても、非常に大きな変化がありました。年末調整や産休・育休の手続きなど、管理部門にとっては当たり前の業務に対しても、 Uniposを通じて感謝の言葉が届くようになったのです。外側からは見えにくい仕事ですが、「ありがとう、助かりました」というメッセージをもらえるだけで、「自分の仕事が誰かの役に立っている」と実感でき、モチベーションが大きく向上します。▲管理部門にスポットライトが当たった投稿山中様: また、副次的な効果として担当業務の可視化も進みました。投稿を通じて「誰が何の業務を担当しているか」が可視化されるため、他部署の社員が「この件は〇〇さんに聞けばいいんだ」と認識しやすくなり、スムーズな業務にも繋がっています。今後はさらに一歩進んで、Unipos上に蓄積されたデータから「誰がどんな知識を持ち、普段どのようなコミュニケーションをとっているか」を把握し、社内の人財マップのように活用していきたいと考えています。Unipos導入による変化②——サポートセンターの品質を確認する「答え合わせ」の場に。お客様の声が届くことで、業務の質が向上新井様: サポートセンターのメンバーにとって、Uniposは「仕事の品質を確認するフィードバックシステム」として機能しています。 電話対応という仕事は、自分の対応が100点満点だったのか、手応えだけで確信を持つのが難しいものです。「70点くらいだったかな」と不安に思うこともあります。しかし、対応の数日後に、お客様から担当の営業やシステムエンジニアへ「あの時の電話対応がすごく良かった、助かった」という声が届き、それを営業やシステムエンジニアがUniposに投稿してくれることがあります。それを見たメンバーは、「あのお客様は満足してくださっていたんだ」と答え合わせができます。私たちの仕事は、テストのように回答したことへの得点が出るわけではありません。正解が分からない中でやっているからこそ、お客様からの感謝が届くと、「求められている基準以上の仕事ができたんだ」「合格点をもらえたんだ」と実感でき、自信や安堵に繋がります。対応の満足度を数値データで確認し今後に生かすことも重要ですが、こうした具体的なエピソードや感謝の言葉を共有してもらえることが何よりの励みになっています。▲お客様からの電話対応に対する反響を届ける、営業やシステムエンジニアからサポートセンター(CRC)への投稿新井様: このように、お客様からのフィードバックがUnipos上で流通すればするほど、それを見た社員が自分の仕事を振り返り、改善するきっかけにもつながります。 単に「褒められて嬉しい」で終わるのではなく、具体的な成功事例が可視化されることで、自分たちの強みを伸ばし、成長させていくためのシステムとしても活用できていると思います。――管理部門の方々にとっても、お客様の声を直接聞けるのは貴重な機会ですよね。山中様: そうなんです。以前は「自分たちの仕事がどう役立っているか」を知るために事例勉強会を開く計画もありましたが、今はその必要性を感じません。Uniposを見れば、お客様への貢献を実感できる熱量の高い言葉が、日々リアルタイムで流れてくるからです。――お客様の声が届いたことで、印象に残っているエピソードはありますか。岩本様:ある新規のお客様への提案中、「営業が言う『手厚いサポート』は本当か?」とサポートセンターの見学を希望されたことがありました。実際に現場のありのままの体制を見ていただいたところ、「これなら安心だ」と受注の決め手になったのです。そのエピソードも営業担当がすぐにUniposへ投稿してくれました。▲お客様がサポートセンターを見学された際に、営業からサポートセンター(CRC)へ送られた投稿新井様: その投稿のおかげで、私たちサポート部門も「あのお客様が契約してくださったんだ」と、自分の仕事の続きを知ることができました。以前、社内研修で「仕事は過去から未来へと繋がっている」という話を聞き、ハッとしたことがあります。私たちが受ける1本の電話は単なる点ではありません。「営業がどんな提案をし、お客様が何を期待して当社を選んだか」という過去の文脈を知ると、目の前のお客様への現在の寄り添い方が変わります。「期待に応えたい」という想いが仕事の品質を変え、それが「他社とは違う」という評価や次の信頼という未来を創る。正解のない仕事だからこそ、Uniposを通じて「あの対応でよかったんだ」と確認できることで、過去・現在・未来の時が繋がった感覚が得られます。Unipos導入による変化③——「アイルらしさ」を伝える採用・育成の武器に。具体的な投稿内容が、自発的な行動と文化の継承を促す――お客様だけでなく、採用面でも会社の文化を伝えるツールになっているのでしょうか。岩本様: そうですね。Uniposを導入したことによって、アイルが大切にしていることを再表現できた感覚があります。 私たちは「感謝」や「リスペクト」、そして「周りをきちんと見ること」を非常に大切にしています。Uniposという場があることで、社外に対してもその意思を明確に発信できていると感じます。会社に来てくれた学生に「アイルらしさ」を伝えるために、Uniposの画面を実際に見せることもよくあります。 言葉で「仲が良いですよ」「助け合いの文化があります」と説明するよりも、リアルタイムで称賛が飛び交っている画面を見せたほうが、一発で「アイルらしさ」が伝わります。私たちは、論理以上に、言葉にしづらい感性を大切にしています。Uniposは、その感性の部分を体現するプラットフォームになっていると思います。 昔の紙のカードよりもしっかりと仕組み化されていますし、今では「Uniposしようぜ」が合言葉になるほど浸透しています。Uniposの活用は、学生に対して必ず伝えることの一つですね。――新人育成の面でも、ポジティブな効果はありますか。三門明様: はい。Uniposに投稿される内容は、「良い行動」のケーススタディになります。アイルでは社員の自律性を尊重しており、Uniposは新人が「具体的にどう動けばいいのか」を学べるツールにもなっていると感じます。「セミナー講師に立候補した」「改善提案をした」といった行動がUniposで称賛されているのを見ることで、「こういう行動が評価されるんだ」「こう動けば成功に繋がるんだ」ということが、感覚ではなく実例として理解できるようになります。これは、会社の文化を次世代へ継承していく上で非常に大きな力になっています。Unipos導入による変化④——マネジメントツールとして各部署が自律的に活用。心の余裕や組織への関心を測る「バロメーター」としての役割も――Uniposをマネジメントに活用されることはありますか。岩本様:運用に関しては、あえて全社統一の厳しいルールは作らないようにしています。ルールで縛ると、どうしてもやらされ仕事になってしまうので。 各部門が自律的に活用するマネジメントツールとして自由に使ってもらっていますが、これが非常に良い形で機能しています。結果として、各部署がそれぞれの方針に沿った組織づくりに役立てることができています。新井様:私たちは、Uniposの投稿数などを人事評価に直結させることはしていません。それは「見返りのための投稿」になりかねず、当社の文化に合わないからです。 ただ、先ほどお話しした「コミかつ」のように、組織を良くするために主体的に動く姿勢そのものは、しっかりと評価の対象としています。山中様:Uniposのデータを社員の心の余裕を測るバロメーターとして活用しています。例えば、特定の部署やメンバーのログイン率が下がっていると、「業務が過多になっているのではないか」「余裕がなくなっているのではないか」と察知できます。そうした場合に、業務のフォローに入ったり、声をかけたりするきっかけにしています。三門明様:逆にUniposの活用が活発なメンバーは、組織への関心が高い傾向にあります。新しいプロジェクトを立ち上げる際、「まず誰に声をかけるか」の判断基準になりますね。彼らは組織のアンバサダーとして、周囲を巻き込んでくれる心強い存在です。岩本様: 私自身、若手社員とのコミュニケーションに役立てています。例えば役員会食の前に、その子の投稿やプロフィールを読み込んでおく。「Uniposであの投稿をもらっていたね」と声をかけると、会話がスムーズに弾みます。そうした日々のやり取りを通じて感じるのは、「Uniposを活用している人(=周囲を思いやり、感謝を言葉にできる人)は、結果として本業の仕事も優秀である」ということです。数値で表すのは難しいですが、みんながその事実に気づき、「成果を出すためには周囲への関心やリスペクトも必要なんだ」という意識が自然と広まっていくのが理想ですね。これから—— ベンチャーマインドを失わずに、成長を続けるために――Unipos社のサポートについてはいかがですか。岩本様:導入当初の営業ご担当者さまやカスタマーサクセスのご担当者さまには、本当に感謝しています。これまで多くのツールを導入してきましたが、ここまで手厚く伴走してくれる会社は初めてでした。「社員以上にうちのことを知っているのではないか」と思うほど深く入り込み、寄り添ってくれました。実は一度、継続を迷った時期もあったのですが、現在のご担当者さまも非常に粘り強く、熱心に向き合ってくれたおかげで今の活用があります。先日参加したUnipos主催のイベントも、形式的なものではなく、参加企業の熱量が高く温かさを感じるものでした。そうしたコミュニティの質も含めて、さすがだなと感じています。――最後に、今後の組織づくりとUnipos活用への展望をお聞かせください。岩本様: 社員数が1,000名を超えましたが、アイルらしいベンチャー気質の「一体感」や「スピード感」は絶対に失いたくないと思っています。 人数が増えても、その良さを維持し続けるために、Uniposをどう活用していくか。それが今後の大きなテーマですね。(写真左から)株式会社アイル システムプロダクト本部 アイルサポートセンター 部長 新井千尋様、経営管理本部 総務部 部長 山中崇士様、経営企画部 広報・IR企画課 主任 三門明怜奈様、取締役副社長 岩本亮磨様※アイル様にもUnipos活用についてご紹介いただいています。ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。「感謝と称賛をし合う社内SNS「Unipos」を導入した会社の工夫と、導入から4年のリアル」