(写真左から)コトヒラ工業株式会社 経営企画部システム課 主幹 大貫晃央様、管理部 総務人事課 主務 採用担当 齋藤佑哉様、管理部 総務人事課 課長 北原貴史様、経営企画部 経営企画課 主務 荻原千里様、社長室 本部長 経営企画部 部長(兼務) 田頭健司様長野県に本社を構えるコトヒラ工業株式会社様は、全国トップランクの生産量を誇るユニットバスルームパネルをはじめ、幅広い製品領域を手がけるメーカーです。2025年に設立80周年を迎えた同社は、社員一人ひとりが主体的に動く組織を目指し、組織文化そのもののアップデートに取り組んでいます。その変革の土台として選ばれたのが、ピアボーナス®「Unipos」。勤務中のスマホ利用が制限される製造現場という環境下でも閲覧率8割超を実現し、部門を越えた相互理解や挑戦を後押しする文化づくりを進めています。今回は、社長室 本部長/経営企画部 部長の田頭様、経営企画部 経営企画課 主務の荻原様、現場で実際にご活用いただいている皆さまに、導入の背景や運用で大切にしたこと、そして組織に起きた変化についてお話を伺いました。導入背景——地方製造業ならではの古い慣習を乗り越え、従業員一人一人がエンゲージメント高く、挑戦できる組織へ ――まず、Uniposを導入された経緯と、当時の課題感について教えてください。田頭様: 当社には、先々代社長が築き上げた強力なリーダーシップによる経営の歴史がありました。先々代はいわゆるカリスマ経営者で、当時は時代背景もありトップの指示に従って動けば会社は右肩上がりに成長できました。しかし、時代はVUCAへと移り変わり、一人の頭脳だけで全てを判断できる時代ではありません。そこで、2020年の現社長への交代を機に、「全員で会社を良くしていく経営」へと舵を切りました。「従業員エンゲージメント向上」と「変革に向けてチャレンジを推奨する文化の醸成」を目指して組織づくりを進めていくことになったのです。挑戦文化を築くための取り組みの1つとして、まずコトヒラ工業としての「改革の精神10カ条」を掲げました。当時、社内のあらゆる場所に掲示して浸透を進めたのですが、地方の製造業ならではの古い慣習やマインドの影響で 、チャレンジすることのハードルが高く、なかなか浸透が進まない状態でした。また、80周年の節目に合わせて実施された新人事制度プロジェクトを進める中で、社員間のコミュニケーション不足という課題も見えてきました。「社員がお互いの仕事や職場を驚くほど知らない」という実態に加え、部門間では縦割り化も進んでいたのです。自分以外の職場や会社全体の状況を知り、「会社がどうなっていくのがいいのか」を一人一人が考える土台をつくる必要性を感じていました。エンゲージメント向上、挑戦文化醸成、コミュニケーション活性、これらの課題を解決するためには、人事制度という「ハード」面を整えるだけでは解決しません。マインドなど「ソフト」面にもアプローチすることが必要です。そのソフト面への打ち手として挙がったのがUniposでした。決め手は、Uniposというサービスの根底にある、マインドや思想です。その思想には、まさにエンゲージメントのど真ん中と言える「感謝・称賛」や「コミュニケーションの活性化」という要素が含まれており、さらに「周囲のメンバーが何をやっているかが見える」状態を実現する仕組みも備わっています。「これだけで全ての課題が解決するわけではないかもしれない。けれど、導入することで組織が何か動くのではないか」という期待を込めて、社長へ提案しました。改めて検討を重ねた結果、自社の課題解決に最も適しているのはUniposであり、他に代わる手段はないと判断し、導入を決定しました。活用方針——コトヒラ工業の未来を担う若手・中堅層を中心にチームを組成。目的達成のため「強制感を出さない」運用を進めた――Unipos活用を推進するにあたって、どのような体制を構築されたのでしょうか。田頭様: 推進体制については、かなり戦略的に考えました。Uniposの推進を担うプロジェクトメンバー15名は、実は「新人事制度プロジェクト」の第3期メンバーをそのまま選出しています。彼らは各職場の管理職から「この人なら現場を整理し、推進していける」と太鼓判を押され抜擢された精鋭たちです。荻原様: 私もプロジェクトメンバーの一員です。製造、開発、間接部門といった多種多様な部署から、価値観の異なるメンバーが集まっていたので、議論の過程でぶつかることもありました。しかし、それを経てお互いの業務や考え方を深く理解できたことは、私にとっても大きな経験となりました。田頭様:プロジェクトメンバーは、コトヒラ工業の5年後、10年後、もっと言えば20年後を支えてくれる若手・中堅層の年代を中心に選出しました。異なる価値観を持つメンバーが集まれば、当然ぶつかり合いも起きます。しかし、その価値観の相違を乗り越え、お互いを知るプロセスを経験すること自体が、Uniposの成功だけではなく、未来のコトヒラ工業を支える糧になると考えたのです。 ――Unipos活用を推進するうえで、大切にされていることや意識されていることはありますか。荻原様: 私はプロジェクトリーダーとしてこの取り組みを推進する立場にあるので、普段からどうすれば活性化するかを常に考えています。だからこそ、推進しようとする行動が行き過ぎて「強制感」が出てしまわないよう、細心の注意を払っています。そもそも、「Uniposはあくまで任意の活用である」という前提で始めました。それなのに、私たちの働きかけが強すぎて「任意と言いながら、結局は強制じゃないか」と社員に思われてしまったら、それは会社に対する不信感に繋がってしまいます。そうなれば、使われなくなってしまう危険性もあります。また、強制になってしまうと、Unipos導入の本来の目的である「従業員エンゲージメントの向上」というゴールから、どんどん遠ざかってしまうと考えています。ですから、「強制感は出さない。でも、しっかりと促していく」、このバランスを保つことを、常に意識して取り組んでいます。田頭様:事務局として投稿数や平均文字数といった数値目標(KPI)も一切設定していませんし、評価制度とも連動させていません。社長やプロジェクトメンバーの皆さんに対しても「数値目標は追わない。それによる弊害の方が大きい」とはっきり宣言しました。無理に数字を追わせれば、苦しくなってしまい、エンゲージメント向上や挑戦する文化醸成に逆効果になってしまいますから。現場での活用——「褒めるのが苦手」な管理職たちが変わった理由――竹内様、金子様、中澤様は普段、現場で実際にUniposをご活用いただいています。導入当初はUniposについてどのように感じていらっしゃいましたか?竹内様: 正直なところ、最初は「そんなに毎日感謝することなんてあるのか?」と半信半疑でした。SNSのようなツールに馴染みがなかったですし、私自身、これまで「褒める」という視点が弱い自覚があったからです。しかし、会社がこれだけのツールを用意してくれたのだから、自分を変えるきっかけにしようと考え、「1日1投稿」を自分に課しました。実際に始めてみると、部下の良いところを探そうとする視点や姿勢が身に付き、自分自身のマネジメントスキルを成長させてくれていると感じています。金子様: 最初に話を聞いた時に、「会社がこのツールを活用して本気で社内を活性化させようとしているんだな」という強い熱意を感じました。私はもともと新しいことが好きで、一度始めると熱中してやり続けるタイプ。それならまずは自分から、この取り組みに乗っかってみようと決めました。また、活用することでギフト券がもらえるという仕組みがシンプルに魅力的でしたね。毎週付与される400ポイントを週末までに必ず使い切るようにしています。私はもともと妻から「あなたって本当に『ありがとう』を言わないよね」と指摘されるくらい、感謝を言葉にするのが苦手なタイプです。職場でも、部下に対して「ありがとう」という言葉をなかなか言えませんでした。しかも、私がマネジメントしているメンバーは40-50名にのぼり、全員とこまめにコミュニケーションをとることも難しい状況でした。しかし、Uniposというツールがあることで職場で感謝を伝えられるようになりました。今では、職場内ではなるべくいろんな人に感謝を伝えられるように、人と接する際に何か 1 つでも感謝できるポイントを探すことが習慣になっています。中澤様: 私は、当初抵抗があった人間です。スマホ操作自体が苦手でしたし、何より品質保証という部署は、製品の不具合や失敗が起きた際に対応するのが主な仕事。誰かを褒めたり、人から感謝される機会が少ない部署だと思っていました。しかし、このプロジェクトを成功させようと頑張るメンバーの姿を見て、その想いを否定してはいけないと感じ、活用に向けて一歩踏み出しました。仕事柄、これまではどうしても『直すべき点』に目が向きがちでしたが、Uniposがあることで、仲間の『良いところを見つけて称賛する』という視点が持てるようになりました。Uniposは組織をプラスの方向に持っていくために有効なツールだと感じています。また、「この部署でこんな良い取り組みをしているなら、うちでもやってみよう」という “気づき” を得るためのアイテムとしても活用しています。良い事例を水平展開するためのきっかけになっているのです。 実は、私は今でも文章で気持ちを表現するのがすごく苦手で、口頭で話すようにはうまくいきません。でも、不器用なりに努力して発信を続けることで、「自分がこの会社の一員としてここにいるんだ」という実感を改めて持つことができました。それは自分にとっても、非常に良い変化だったと思っています。――普段の業務の中で、Uniposをどのような場面でご活用いただいているのでしょうか金子様: 私たちは業務時間中にスマホを操作することはできません。ですので、基本的にはプライベートの「隙間時間」をうまく活用するようにしています。例えば、子供の習い事の送り迎えでの待ち時間ですね。車の中で待っている間に、「今日は誰にどんな投稿をしようかな」と内容の構成を練ることが多いです。あとは、一日の終わりの寝る前の時間です。布団の中でその日にあった投稿を眺めるのが、もはや癖になっていますね(笑)。仲間たちの活躍を見て拍手を送ったり、自分でも投稿を作成したりします。ただ、あまり夜遅い時間に通知が飛んでしまうのも良くないなと思うので、夜に書いたものは下書き保存しておくようにしています。そして、翌朝になってから送信ボタンを押す。そんな自分なりの工夫をしながら、活用しています。中澤様: 私の場合は、投稿自体は週末にまとめて行うことが多いのですが、皆の投稿を見るのは就寝前のリラックスタイムですね。「ここから先は自分の時間だ」と一息つくタイミングで、その日の投稿を眺めたり、拍手を送ったりしています。竹内様: 私は朝の習慣に取り入れています。朝、コーヒーを飲みながら新聞を読む時間があるのですが、その際に「昨日、社内ではどんなことがあったかな」と振り返りながらUniposをチェックするのが日課です。金子さんと同じく、付与されたポイントを毎週末までに使い切ることをマイルールにしています。変化①——部署を超えて、社内の状況が見える化。モチベーション向上や改善事例の水平展開にも効果――Unipos活用を進めていく中でどのような効果を感じられていますか。田頭様:製造現場では「勤務中のスマホ利用禁止」という制約がありますが、それでもアクセス率(UniposのWebもしくはスマホアプリから閲覧した人の割合)は毎月8割という高い水準を維持しています。能動的な投稿に至らなくても、「社内の状況を知りたい」「誰が何を頑張っているのか見たい」という関心を社員が自発的に持ってくれている証拠だと感じています。荻原様: 私自身、一人のユーザーとして非常に大きな変化を実感しています。導入前は、他部署がどんな仕事をしているのか、実はよく分かっていませんでした。また、新入社員やキャリア採用で入社した仲間が職場に配属されると接点がなく、名前と顔が一致しない事があるという悩みもありました。しかし、Uniposを通じて、普段接点のない他部署の動きや様子が「見える」ようになりました。これは私にとって、とても大きな変化でした。私は新入社員研修の講師を務めることもあるのですが、かつて担当した社員が誰かから投稿をもらっているのを見かけると、「ああ、あの子、頑張っているんだな」と、ほっこりした温かい気持ちになります。また、普段からよく知っている仲間が称賛されているのを見ると、「自分も頑張ろう」とポジティブな刺激をもらうこともあります。竹内様:当社の3つの事業はそれぞれが独立して動いているため、以前はお互いに何をやっているのかが見えにくい部分がありました。しかし、Uniposで皆の投稿を読んでいると、各部署の仕事や状況が非常によく分かります。時には投稿されている改善事例を見て、「これはいいな、自分のところでも活用しよう」と刺激を受けることもあります。また、私が担当している「自社商品事業」は最も新しく、まだ規模も小さい事業です。そこでUniposを、「今、自分たちがどんな製品開発に挑んでいるか」など自部署の取り組みを伝える場としても意識的に活用しています。約300名の社員がいる中では、名前と顔が一致しないメンバーも少なくありませんが、全く接点のない他事業部の若い社員が、自部署の取り組みについて発信した投稿に拍手を送ってくれることがあります。そんな時は、自分の意図がしっかりと相手に伝わっているのだと実感でき、非常に嬉しく思います。田頭様:経営企画部もなかなか何をしているか見えづらい部署です。Uniposは自部署の取り組みに対して理解を深めてもらうために有効活用できると感じています。荻原様:現在の当社の利用状況を振り返ると、自分から積極的に投稿を行う人の数は、とても多いとは言えないかもしれません。しかし、流れてくる投稿を見ているだけで、私自身がそうだったように、社内の状況が見えるようになります。実は、それだけでも社員の心情には非常に大きな変化が生まれています。このように「社内の状況が見えるようになる」ということ自体に、導入するだけの確かな価値と効果があると私たちは考えています。田頭様:地方の製造業には、長年培われた「伝統」がある一方で、「変わろうとしても変われない」という特有の難しさがあります。 このような状況下で、たとえ全員ではなくとも、3分の1や半分の社員が感謝や称賛を言葉にして発信できるようになれば、それは今までにない変化が実現できていることになります。このように無理なく、自然な形で組織を変えられる手段は、Unipos以外にないのではないかと感じています。(後編につづく)※後編では、Unipos活用後のさらなる変化や今後の展望についてお話を伺います。併せてぜひご覧ください。