(写真左から)株式会社リーディングマーク 戦略採用部 黒澤理佳湖様、戦略採用部 沼波真由夏様、Unipos株式会社 カスタマーサクセス 勝元健太独自の「Personality Tech(性格分析技術)」を活用し、採用の集客・選考・配属/配置を幅広くサポートする適性検査クラウドサービス「ミキワメ」など、HRテクノロジーサービスを提供している、株式会社リーディングマーク様。同社はかつて、離職率が3割を超え、エンゲージメントスコアも低いという、いわば「組織崩壊」とも言える危機的な状況にありました。その状況からの脱却を目指して、Uniposをご導入いただき、様々な施策との掛け合わせで組織の立て直しに成功。急成長を続けながら、現在も良好な組織状態を維持しています。今回は、人事として組織づくりに携わる沼波真由夏様、黒澤理佳湖様に、組織崩壊から脱却し、その後も良い組織状態を保ち続けるために行ってきた取り組みや手応え、その中でUniposが果たしてきた役割についてお話を伺いました。 導入背景——かつては離職率3割超・エンゲージメントスコアも低迷、組織崩壊の危機にあった Uniposをご導入いただいた2019年当時、リーディングマーク様の離職率は3割以上、2年間で6割以上の社員が会社を去るなど、深刻な組織課題を抱えており、エンゲージメントスコアも偏差値47と低迷している状況でした。こうした状況の中、「なんとか状況を変えたい」「もうリーディングマークに入った人を後悔させたくない」という強い思いから、本格的な組織改善の取り組みが始まりました。特に、離職率を下げるためには、給料や職場環境といった「衛生要因(ないと不満につながるもの)」の改善だけでなく、「残るべき理由を作る(動機づけ要因)」ことの重要性に着目されたと言います。なぜなら、本来目指すべきは「優秀な人が残りたいと思える職場」にすることであり、その実現のためには「引く手数多な中でもここで働き続けたいと思える」理由をつくることが欠かせないからです。一方で当時は、自身の頑張りが正しく認められない不満や、組織や世の中に役立っている実感が持てない状況にあり、これらが優秀な人が働き続けることを阻害していたのです。その解決策として有効だと考えられたのが Uniposの導入でした。現在の課題—成長・拡大に伴う新たな課題と目指す理想の組織像Unipos導入当時30~40名規模だった従業員数も、2025年時点で175名にまで増え、今後もさらなる組織の拡大が見込まれています。組織が大きく成長する中で、新たな課題も見えてきていると言います。沼波様: 昨年(2024年)ごろから、部門を超えたつながりが希薄になっているという課題が話題に上がるようになりました。また、組織の拡大に伴い、カルチャー浸透やミッションへの共感度をより高めていく必要性も感じていました。そのような中で、代表の飯田をはじめとする社内全体で危機感を共有し、事業部体制の見直しや、ミッション実現に向けて必要不可欠なバリューの浸透施策など、全社での取り組みを進めてきました。目指すのは、ミッション実現に向けて社員が同じ志を持ち、それぞれが何ができるかを全力で追求する組織。バリューの浸透を含め、会社全体が一つの目標に向かって団結できるようにするためにはどうすればよいかということを常に考えていますね。活用方針—部門を超えたつながりとバリュー浸透を支える多彩な施策と掛け合わせながら、「組織づくりの武器」としてUniposを活用このような組織拡大に起因する課題に対応するために、リーディングマーク様では様々な組織づくりの施策に取り組まれています。 沼波様:部門を超えたつながりを強化するために、コミュニティ施策に取り組んでいます。部活動や同期会や同年代会、県人会などを設け、飲み会やランチに毎月補助を出しているのです。また、月に1回は全社員会議「月例会」や事業部単位の会議を開催し、会議の中で、遊びのコンテンツを取り入れたり、新入社員クイズを行ったりして、全社的なつながりを育んでいます。ほかにも、各事業部ではオンボーディングのパッケージ整備を行ったり、チームや部署を超えた斜めの関係を築くメンター制度の取り組みも実施しています。こうしたつながりを作る取り組みと並行して、バリューを浸透させる取り組みにも力を入れられていると言います。沼波様:まずは社員がバリューに触れる機会をより多く持てるようにすることが重要だと考え、既存の取り組みも活かしながら工夫を重ねました。たとえば、デザイナーと協力してバリューのポスターを制作し、各会議室に掲示することで、日常的に意識できる環境づくりを行いました。また、代表の飯田が会社の成り立ちやミッション、バリューについて語るYouTube動画を作成し、いつでも視聴できるようにしています。加えて、以前から実施しているバリューを最も体現した社員を表彰する「バリュー賞」では、月1回の全社員会議で受賞者を発表し、受賞者にはバリューを体現した行動の背景や想いを語ってもらう公開インタビューを行っています。 その内容は社内報にも記事として掲載しています。社内報には、 Unipos上のデータをもとにしたランキングも発表しています。バリューを体現する投稿に限らず、ポジティブな行動全般を社内に広げていくために、月に2回、ポイント数や拍手数、送った投稿数などを中心に取り上げています。黒澤様:このランキング発表は、社員一人ひとりの組織づくりの意識を高める上で非常に効果的だと感じています。Uniposの利用状況は、リーダーやマネージャーが組織のことを大切にし、周りに目を配っていることを可視化する指標にもなり得ます。また、「一番盛り上がる組織にしよう」という目標を掲げ、部門全体でUnipos投稿を促す自発的な動きも生まれました。ランキング発表を始めてからは、ポイント利用率は10-15%上がっています。当社のバリューは、2020年のコロナ禍で売上がほぼ消失した苦しい時期に、当時の社員全員が力を合わせて乗り越え、黒字化や新たな就活イベントの成功を達成した際の「気持ち」をもとに、社員皆で作り上げたものです。この歴史や社員の思いを次世代につないでいきたいという代表の熱い思いも、カルチャー醸成の原動力となっています。こうした様々な取り組みの中で、Uniposはどのように位置づけられているのでしょうか。黒澤様:Uniposは、当社が大切にしている「社員一人ひとりが主人公である」という考えを体現する上で、非常に重要な役割を果たしています。月例会でのアワード表彰では、170名中5名程度しかスポットライトを浴びる機会がありませんが、Uniposであれば、日頃の感謝や貢献をいつでも、誰もが見られる形で伝えられます。これはUniposにしかできないことだと感じています。沼波様:Uniposは「組織の状態をより良くするための武器」という立ち位置になっていると思います。Uniposメインの施策を考えるというよりは、企業文化を育てる取り組みを考える中でつまずいたり、補完したいことがあったりするときに「ここにはUniposが活用できそう!」と思える場面が多いです。数ある施策の中でも、状況に応じて活用しやすく、頼りになる選択肢のひとつがUniposだと捉えています。変化——組織崩壊の危機を乗り越え、急成長を続ける中でも良好な組織状態を維持様々な施策を重ねた結果、本格的な組織づくりに着手してから約3年で、離職率は大幅に低下し、リンクアンドモチベーション社が提供する「モチベーションクラウド」でも偏差値47から偏差値67まで改善。その後、現在に至るまで全国の企業の中で上位2%に入る水準の社員エンゲージメントを維持し続けています。沼波様:このサーベイ結果には、Uniposの存在が良い影響を与えていると感じています。実際、私自身も上長からUniposを受け取ったときに「こんなにも認めてもらえているんだ」と感じ、モチベーションが大きく高まった経験があり、その影響を実感しています。組織の立て直しには、Uniposの活用を通じて醸成された感謝・称賛文化が大きな効果があったと言います。Uniposを通じて社員が社員を称えるような声が拡散されることで組織の雰囲気が変わったのです。また、感謝・称賛文化が根付き続けていることが、組織が成長し続けていく中でも良い組織状態が保たれている理由の一つでもあります。沼波様: Uniposがあることで、日常的な些細なことにも気軽に感謝や称賛を伝えることができます。また感謝や称賛のメッセージだけでなく、「今週も頑張ろう」といった激励のメッセージなど、形式問わずポジティブなコミュニケーションが活発になっています。Unipos導入から約6年が経過していますが、今も高い利用率を保ち続けているのは、当社の社員に「他者の頑張りを見つけ、称賛する」というベースのマインドが根付いているからだと思います。「Uniposを使わないなんてありえない」というくらいに、Unipos活用に関してポジティブな社員が多いです。黒澤様: マネージャー層や経営陣の働きかけもあって、バリューの一つである「みんなで勝つ」という意識が非常に強く、「一人ではなくみんなで頑張ろう」というマインドが浸透しています。アワード受賞者のコメントでも、「自分だけの成果ではない、周りの協力があってこそ」という発言が多いところにも表れています。このような協力的な組織風土が、「周りに助けられているから自分も助けたい」という気持ちを自然と生み出し、さらにUniposでの感謝や称賛の投稿が多数生まれることにつながっているのだと感じます。こうした協力的な組織風土は、組織の活性化に向けた施策にも表れており、人事部だけではなく、会社全体で組織づくりに取り組む動きが生まれていると言います。黒澤様:事業部のエンゲージメントを高めるために、事業部ごとに「大臣」と呼ばれるUnipos推進メンバーを設置してくれたこともあります。実はこの推進メンバーは、人事から依頼しているわけではなく、各事業部から立候補や推薦で自発的に生まれている存在です。事業部ごとの状況に合わせて、大臣が中心になり、Uniposを活用した組織づくりが進められています。さらに、Uniposを「部門を超えたコミュニケーションやつながりが生まれる場」としてもご活用いただいています。沼波様:部署を越えたコミュニティ施策や横断チームのプロジェクトに関連して、感謝や称賛の投稿が活発に行われていますね。また、他チームの貢献が見えるようになったのは、Uniposがあって本当に良かったと感じるところです。たとえば「誰かが目標を達成した」という出来事がSlackに投稿されても、見落としてしまえば振り返るきっかけがなくなってしまいますし、組織が大きくなるにつれて、自チーム以外の貢献はどうしても見えにくくなりがちです。ですが、Uniposを見に行けば、会社全体の貢献がまとめられていて、誕生日や結婚などのお祝い事も一目でわかります。Uniposがあったからこそ、会社や社員のことを深く知ることができたと思います。さらに、他の施策をより盛り上げる役割も果たしていると感じます。特に全社会議の後には、アワード受賞者への「おめでとう」の投稿や、誰かの達成を祝うメッセージで大きく盛り上がります。Uniposがなければ、全社員でお祝いする機会はここまで増えなかったと思いますし、個々のモチベーションも今ほど高く保てなかったかもしれません。他のツールでは代わりにならなかったと感じています。▲目標達成を称賛する投稿▲アワード受賞者をお祝いする投稿 Unipos社の支援——導入当初から一貫した手厚いサポート。ポータルサイトの価値も実感導入当初から伴走させていただいているUnipos社の支援については、どのようにお感じいただいているのでしょうか。沼波様:私はまだ入社していなかったのですが、当時の担当者に話を聞いたところ、Unipos導入初期には、当社の組織の状態を他社と比較しながら分かりやすく説明してもらえたことが印象的だったそうです。また、社内浸透を進める際に役立つフォーマットを提供してもらえたことも非常に助かったと聞いています。導入当初だけでなく、現在に至るまで Unipos社の担当者が常に気にかけてくれており、他企業との交流の機会を設けてくれるなど、手厚いサポートに感謝しています。枠にとらわれない形で、当社の状況を踏まえながら、相談に乗っていただけたり、提案いただけたりするのがとてもありがたいですね。特に、当社の利用状況を踏まえ、カスタムリワード( Uniposでもらったポイントを自社独自のリワード(褒賞)と交換できる機能)の導入を提案いただけたことは大きかったです。元々はAmazonギフト券に限定されていましたが、カスタムリワードを導入したことで、図書カード、スターバックスカードに加え、一定ポイントを貯めるとパーソナルカラー診断と写真撮影が受けられるというユニークな選択肢も増えました。社員が自由に選択できることで、受け取る側の満足度も高まっています。担当者の支援に加えて、ポータルサイトである「Uniposカルチャー共創本部」も活用しています。他社事例や社内展開用の資料など様々な情報が1つにまとまっているので、Uniposを運営していくうえで必要な情報にアクセスしやすく、使いやすいと感じています。これから——従業員ひとりひとりが「リーディングマークを好きであり続けられる組織へ」沼波様: 今後も、働く従業員が会社のことを好きであり、ミッション実現に向けて没頭できる組織を作り続けることが一番の目標です。そのために貢献できるような取り組みを柔軟に取り入れ、時にはやめることも含めて、試行錯誤を続けていきたいと考えています。コーポレート部門は売り上げを直接作れる部署ではないですが、離職・休職の抑制を通じてコスト削減に貢献するなど、組織に貢献できるような取り組みをつなげていきたいです。黒澤様: 広報を担当している私としては、リーディングマークのことを皆にこれからもずっと好きであり続けてほしいと思っています。そのために、ちょうど1年ほど前に社内報を始めました。社内報では、会社の色々な情報を知ってもらうことはもちろん、社員一人ひとりにフォーカスした記事を載せて、お互いのことを深く知ってもらえるようにしています。今後、そういった取り組みをさらに進めるために、Uniposをもっと活用していきたいと思っていますし、利用率もさらに高めたいですね。そして最終的には、コミュニケーションの垣根がなくし、スムーズに連携できる環境をつくることで、皆がこの会社で楽しく、働きがいをもって働けるような状態を実現したいと考えています。※リーディングマーク様にもUnipos活用についてご紹介いただいています。ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。社内の離職率を1/4にしたベンチャー企業のUnipos活用例|ミキワメラボ