(写真左奥から)Unipos株式会社 組織コンサルタント 鍋島大智、株式会社明電舎 装置工場 コンピュータシステムユニット 設計部 システム管理課 藤井ゆかり様、品質保証部 吉田幹生様、ユニット長 山澤研様、設計部長 細谷康二様、Unipos株式会社 執行役員 ビジネス本部 フロント部門統括 兼 カスタマーサクセス部 部長 岸川京太郎、株式会社明電舎 装置工場 コンピュータシステムユニット 設計部 情報装置設計課 小笠原和香様、Unipos株式会社 カスタマーサクセス 園部洋奈、株式会社明電舎 装置工場 コンピュータシステムユニット 設計部 保護装置設計課 石川慶太朗様、品質保証部 情報装置試験課 佐藤未藍様創業から約130年の歴史を持つ株式会社明電舎様は、発電機や変圧器などの電力システムをはじめ、産業用システムや社会インフラ設備の開発・製造を手がけている企業です。その中で、設計・品質保証・生産管理を担当するコンピュータシステムユニット様では、社内の組織文化をより良くするためにUniposを導入し、組織変革に取り組まれています。今回は、株式会社明電舎 装置工場 コンピュータシステムユニット長の山澤様、同ユニット設計部長の細谷様、そしてその取り組みを支える事務局の吉田様、藤井様、佐藤様、小笠原様、石川様に、Unipos導入の背景、活用の工夫、そして導入後に見られた組織の変化についてお話を伺いました。導入背景——エンゲージメント低下・コミュニケーションの壁を乗り越え、技術継承が進む組織を目指す明電舎様は、中期経営計画2027において「成長&挑戦」をテーマに掲げ、「両利きの経営」の実現を目指されています。その実現に向けた取り組みの中で、コンピュータシステムユニット様では、いくつかの組織課題が顕在化していたと言います。山澤様: Unipos導入前には、主に3つの組織課題があると考えていました。1つ目は社員間のコミュニケーションの壁です。毎年従業員の皆さんと面談を実施しているのですが、特に20代の若手メンバーから「課長やグループリーダーが忙しそうで話しかけづらい」という声があがっており、コミュニケーション不足に課題を感じていました。2つ目の課題は、中堅や若手社員の離職です。離職の背景には、上司や同僚からの支援が十分ではなかったことがあるのではないかと感じています。だからこそ、チームワークを高めて、皆が高いモチベーションを維持できる環境をつくることが非常に重要だと考えました。3つ目は、従業員意識調査におけるエンゲージメントが低下傾向にあったことです。特にeNPSが本社スタッフとの乖離が大きく、課題を感じていました。毎年調査は実施するものの、具体的な対策がなかなか打てないまま、次の調査を迎えるということを繰り返している状況だったので、それを何とかしたいという想いがありました。細谷様: また、当ユニットは比較的50代以上のベテラン層が多い人員構成となっており、将来的な技術継承が重要な課題となっています。実際、2023年時点では60代の割合は約4%でしたが、2024年には14%、さらに2027年には20%を超えると予測されており、高齢化の進行が顕著です。技術継承は、日々の業務に加えて取り組むべき課題でもあることから、これを円滑に進めるためには、若手社員のエンゲージメント向上が不可欠です。こうした背景を踏まえ、若手が自発的に業務改善に取り組めるような組織づくりを進めていく必要がありました。こうした課題に対応するため、山澤様は2024年度から新たな取り組みを始めることを決意され、「1年後にeNPSを1ポイント以上改善する」という目標を掲げて、組織変革に着手されました。その取り組みの一環として、心理的安全性と従業員のエンゲージメントを高め、人材育成を進めることを目的に、2024年4月にUniposをご導入いただきました。山澤様:取り組みを検討していく中で、関係会社である明電システムソリューションがいち早くUniposを導入し、成果を上げているという話を知りました。担当者から「感謝の機会が増えた」という話を聞き、「まさにこれだ」と思いました。私自身も日頃から社員に声をかけるようにしていましたが、その場限りで終わってしまいます。その点、Uniposであれば感謝の気持ちを形として残せるため、当時抱えていた組織課題の解決にぴったり合うと感じ、導入を決めました。また、当ユニットにはもともと真面目にコツコツと取り組む文化が根付いていたため、Uniposの活用も自然にフィットするのではないかという予感もありました。導入による変化①——eNPS・アンケートの結果が大幅改善。感謝・称賛のやりとりから現場の様子が把握できるようにUnipos導入から約1年。コンピュータシステムユニット様では、様々な変化が生まれています。山澤様: 導入後の最も大きな変化は、感謝をポジティブな言葉で伝える機会が圧倒的に増えたことです。また、Unipos上で一人ひとりの業務内容を把握できるようになり、称賛できる機会も増えました。以前は把握するのが難しかった、担当者同士のコミュニケーションやつながりが見えるようになったのは非常に大きいと感じています。つながりの把握は、Uniposのつながり機能※も活用しています。さらに、「Uniposで送っておきますね」といった会話が増えるなど、Uniposがユニット内に浸透しているという手ごたえも感じています。※つながり機能:Unipos上でやりとりされた感謝・称賛のメッセージや、共感を示す「拍手」の行動を通じて蓄積されたデータから従業員同士のネットワークを可視化する機能藤井様: Unipos導入後、「ありがとう」を言いやすくなりました。以前は照れくさくて言えませんでしたが、Uniposを使って称賛する習慣がついたことで、口頭でも「ありがとうね」と伝えられるようになったのです。そのような積み重ねの結果、職場の雰囲気が良くなっているのを実感しています。吉田様:Uniposで、普段の業務以外の目立たない身の回りの作業、例えばゴミ出しやシュレッダーの片付けなど、「縁の下の力持ち」的な作業に気づけるようになりました。Uniposでの称賛がなければ全く気づかなかったので、Uniposがあることでそうした貢献をしてくれている人たちに感謝できるようになりましたね。▲普段目立ちづらい貢献が可視化された投稿山澤様:定量面では、ユニット独自のアンケートならびに従業員意識調査の結果に大きな変化が生まれました。まず、導入から3カ月が経過したタイミングで実施したメンバー向けのアンケートでは、すべての項目で導入前と比べて改善が見られました。 また、eNPSは、1年で4.8ポイント上がり、大幅に改善しました。「上司から評価されていると感じる」など、10ポイント上がっている項目もありましたね。Uniposをはじめ様々な施策を実施した結果が成果として表れたのは非常に嬉しいです。導入による変化②——自然な助け合いが広がり、情報共有の場としても機能。若手も含めた従業員のモチベーションアップにも効果Uniposの活用による変化は、現場にも広がっています。佐藤様:私が所属する品質保証部では、基本的に一人で試験業務を行うことが多いのですが、二人で作業した方が効率的な場面もあります。以前はみんな忙しく、助けを求めづらい雰囲気があったのですが、Uniposを導入してからは、自然と手伝ってくれる人が増えました。また、Uniposが有益な情報共有の場としても機能していると言えます。石川様:以前、あるシステムでエラーが発生した際、社内の詳しい方に解決方法を教えてもらいました。その解決方法をお礼のメッセージとともにUniposで発信したところ、後日その投稿を見た別の社員から「その投稿のおかげで自分もエラー解消できたよ」という声をかけてもらった経験があります。さらに、Uniposを通じて、ユニット内全体にメンバーの活躍が広がることで、モチベーションの向上やメンバー同士の普段の業務を超えた相互理解にもつながっています。藤井様:Uniposを使うようになってから、上司が自分の仕事をしっかり見てくれていると実感できるようになりました。頑張ったことを見てもらえるのは、大きな励みになります。▲上司の方から藤井様へ送られた投稿吉田様:社内で行われている他部署との横断的な活動について、以前は自チームのことしか把握できていませんでした。しかし、ユニット長の山澤さんがUniposで活動内容やメンバーの貢献を投稿してくれるようになり、「あの人がこんなことをしていたんだ」と他の人にも伝わるようになりました。活動している本人たちにとっても、そうした投稿は励みになり、「次も頑張ろう」という意欲にもつながっていると感じています。▲山澤様から横断チームの方々へ送られた投稿佐藤様:Unipos上で、名前を知らなかった人からも「拍手」をもらうことがあり、「自分の仕事を見てくれている人がいる」と感じるようになりました。その経験を通じて、自分も他の部署に目を向けるようになり、社内のつながりが広がったと実感しています。Uniposの活用は若手社員のエンゲージメント向上にもつながっていると言えます。小笠原様:私は当時、業務を始めたばかりで、 他部署の方の顔や名前をまだ全て覚えきれていませんでしたが、Uniposでやりとりをした相手は印象に残るので、話しかけやすくなりました。また、仕事を覚えたばかりで手探り状態の中、「これをしてくれてありがとう」とUniposで投稿されることで、「これはやるべきことだったんだ」と自信につながりました。感謝の言葉をもらえると、「もっと積極的にやってみよう」「次はこう工夫してみよう」と前向きな気持ちになれ、仕事への取り組み方も変わってきました。Uniposがなければ気づけなかったことに、気づくことができたと感じています。活用の工夫——キーワードは「おせっかい」。トップ/管理職層の積極利用と事務局メンバーのチームワークが浸透の鍵Unipos導入後の様々な成果の裏側には、2つの大きな成功要因がありました。1つ目は、トップ/管理職層が率先して、積極的に活用し続けていること。山澤様:活動で大切にしているのは、まず私自身が積極的に感謝を伝えることです。上の世代は感謝の言葉を口にするのに照れくささを感じる人も多いので、「発案者の自分がやらないと始まらない」という思いで、まず自分が行動しています。また、投稿する際は、単なる「ありがとう」だけでなく、何に対して感謝しているのか、背景や経緯を具体的に書くように意識しています。普段は当たり前だと思いがちなことにも目を向け、積極的に言語化していますね。細谷様:投稿内容の具体性には私もこだわっています。他の人が投稿を見た時にも、取り組み内容が分かるように、背景をしっかり書くことが大切だと考えています。また、あまり注目されていない人や、目立たなくても影で貢献している人に気づいたら、積極的にクローズアップして投稿するように心がけています。藤井様:トップが率先して使ってくれていることで、管理職層も積極的に活用してくれている感覚があります。活躍を知らない人にも伝わるように意識してメッセージを書くため、文章量の多い投稿も増えてきており、ユニット内の文章力も上がってきているように感じています。2つ目は、変革の中心を担う事務局の体制とチームワーク。山澤様: 事務局のメンバーは、私と細谷さんで選抜し、イラスト・データ分析・取りまとめなど、それぞれ得意な分野を持つ、年齢層も日々の業務も違うメンバーに集まってもらいました。メンバーそれぞれ通常業務がある中で、活動に充てられるのは週に1~2時間、月に8時間程度。その限られた時間の中で活動を実施するための工夫として、毎週水曜日の午後は「間接作業の日」とし、対面での定例会やチーム活動などに充てる時間として確保しています。Uniposの事務局メンバーは、「他の横断チームの中でもトップクラスで高いチームワークを誇る」と吉田様は語ります。その抜群のチームワークを活かし、限られた時間の中でも、導入から現在に至るまで様々な施策に取り組み続けている事務局のみなさん。定期的な数値の確認から説明会の実施、Unipos起動時に表示されるローディングレター(Uniposを読み込む際に表示される文章)のこまめな書き換えなど、その活動内容は多岐にわたります。思いやりを表す、ポジティブな意味合いでの「おせっかい」をテーマに活動している事務局メンバーが、コンピュータシステムユニット様のUnipos活用を支えています。▲事務局メンバーのお取り組み一例Unipos社の支援——「熱意あるおせっかい」が取り組みを後押し導入後1年という短い期間の中で、大きな成果を上げられたコンピュータシステムユニット様。その活動にはUnipos社の支援も大きく関わっていたと言います。山澤様:Unipos社の皆様と初めてお会いした時の印象は強烈でした。特に担当カスタマーサクセスの園部さんから、熱量の高さと言葉の説得力を感じ、「これはうまくいくな」と確信しました。あの第一印象が、今回の成功につながったのだと思っています。園部さんとの打ち合わせはいつも新鮮で熱量があり、テンポが良い。まさに「程よいおせっかい」だと感じています。吉田様: 私はUnipos導入の相談を山澤さん、細谷さんから受けた当初、これまでの経験から「このツールも使われず、コミュニケーションも活性化しないだろう」と懐疑的に思っていました。しかし、園部さんをはじめとするUnipos社の皆さんの導入説明会での熱意に触れ、Uniposを使うことの意義について深く腹落ちしました。立ち上げ時には、Unipos社側から色々な資料を提供してもらったり、何度も連絡をいただいたりしましたが、こうした「半ば強引とでも言うべき気持ちの良いおせっかい」がなければ、事務局メンバーもなかなか動き出せず、立ち上がりは難しかったと思います。Unipos社の方とのやり取りを通じて、コミュニケーションで一番大事なのは「おせっかい」なんだと教えてもらった気がします。今後——「意識せず自然にできる」レベルまで文化を浸透させたい。データ活用にも意欲最後に今後の活動や期待についてお話をお伺いしました。山澤様:今後も継続的な組織風土の醸成を目指したいと考えています。Uniposの活用は一時的なブームではなく、長期的な取り組みとして定着させていきたいです。私自身がユニット長である間は、Uniposの活用を中止するという選択肢はありません。最終的には、感謝や称賛の文化を当たり前にし、意識せずとも自然とできるレベルまで高めたいと考えています。心理的安全性という言葉をあえて使わなくても、当たり前になっている状態を目指していきたいですね。細谷様:Unipos導入の成果として、生産性や離職率といった定量的なデータも可視化し、他のユニットにも示せるようにしていきたいと考えています。関係会社の明電システムソリューションが先行導入で従業員意識調査の良いスコアを出していたことが、私たちが導入を決める後押しの一つになったように、私たちも具体的な実績を示すことで、他の部署にもUniposの有効性を伝えていきたいです。吉田様:Uniposで1年間かけてデータが集まってきたので、このデータを活用して、「人間の心の揺らぎ」のようなものを表現したり、エンゲージメント向上や離職防止に繋げたりできないかと考えています。今まさに、離職アラートや、パルスサーベイとUniposを掛け合わせた活用についても相談しています。これまで集まったデータを活用していくことが、今後の事務局の大きな目標の一つですね。今後もUniposは明電舎 コンピュータシステムユニット様の理想の組織状態に向かってご支援を続けてまいります。