(写真左から) Unipos株式会社 カスタマーサクセス 府川史歩、園部洋奈、三菱電機株式会社 執行役員/パワーデバイス製作所 所長 岩上徹様、パワーデバイス第二部 HV設計課 用正大地様、総務部 福岡総務課 出口菜々香様 半導体の「進化」と「革新」で社会の変化を先導する、三菱電機株式会社 半導体・デバイス事業本部様。2023年5月にパワーデバイス製作所1,650名様にご導入いただいたのち、2024年5月より関係会社様も含め、半導体・デバイス事業本部様全体4,400名超でご導入いただいております。Unipos導入前の課題から導入後の変化、そして今後の期待について、三菱電機株式会社 執行役員/半導体・デバイス事業本部 副事業本部長 兼 半導体・デバイス業務部長 国武一郎様、執行役員/パワーデバイス製作所 所長 岩上徹様にお話しいただきました。導入背景——激しい市場変化に対応するため、エンゲージメント高く挑戦し続けられる組織カルチャーを目指し、Uniposを導入事業本部全体に先駆けて、Uniposをご導入いただいた、パワーデバイス製作所様。導入には同製作所が取り扱う「半導体」という変化の激しい事業の特徴が影響していたと言います。岩上様:ここ2-3年は特に市場の変化が激しく、正確に将来を予測することが難しくなっています。不確実性が高い中で未来を創っていくためには「挑戦」が必要不可欠です。計画通りに事業を進める従来のやり方が部内に浸透していたからこそ、その反面「言われた通りにやっていればいいのでは」という風潮も残っており、挑戦が生まれづらい状況になっていました。 その状況に危機感があり、「変えていきたい」という想いが強くあったのです。挑戦できる組織への変革のために「高い目標に挑戦する人を称賛したい」と考えていたタイミングで、同じ三菱電機の先進応用開発センター※から紹介してもらったのがUniposでした。Uniposは挑戦したことに対して、従業員同士が言葉にして称賛し合える仕組み。この仕組みを使えば「〇〇という挑戦をしてくれてありがとう」「〇〇さんが考えてくれた方法に変えたことで作業スピードが格段に上がりました」など、挑戦に関するエピソードが投稿を通じて見えてくるのではないかと思ったのです。そして、その投稿を皆が見て知り・学ぶことで、良い行動がどんどん広がっていき、挑戦する文化・カルチャーができていく。その理想状態をUniposの活用で目指したいと考えていました。※三菱電機株式会社 先進応用開発センター様でご活用いただいている事例はこちらからご確認いただけます。パワーデバイス製作所様での導入から1年後、半導体・デバイス事業本部様全体でのご活用がスタートします。なぜ事業本部全体でのご導入を決定いただいたのでしょうか。国武様:半導体・デバイス事業本部では「半導体の進化と革新で社会の変化を先導する」というありたい姿を掲げています。このありたい姿を実現するためには「一人一人が創造性豊かに生き生きと働ける環境」が必要です。また、半導体・デバイス事業本部は国内だけで連結4,000名超という大規模な組織であり、東京から九州にかけて拠点が点在しているため、物理的な距離も離れています。このような状況下で、組織全体が一体感を持ち、一人一人がエンゲージメント高く働くためには「コミュニケーションの強化」が重要だと考えていたのです。そのような考えの元、全社的な組織風土改革プロジェクトの取り組みや半導体・デバイス事業本部独自の施策を実施してきたのですが、組織風土改革の指標として注視している従業員向けエンゲージメントサーベイの結果に課題を感じていました。全体として数字が悪いわけではないのですが、拠点によって濃淡があったのです。特に直接部門(製造現場の部門)のサーベイ結果を見ると「上に物が言いづらい」などコミュニケーションに課題を感じている人が多く、変革の浸透不足を感じていました。その課題を解消するための新たな取り組みを検討しているときに、先んじてUniposを導入していたパワーデバイス製作所で成果が出ていることを知りました。Uniposは、物理的な距離を超えたコミュニケーション強化に有効であるとともに、感謝・称賛を当たり前に伝えられるカルチャーを根付かせることにも役立ちます。また、PCだけでなくスマートフォンでも使用することができるので、製造現場でPCを持たずに働く社員も多い関係会社も含めて活用できることもポイントでした。このような背景から、Uniposを半導体・デバイス事業本部全体で活用することで「①半導体・デバイス事業本部全体の称賛文化醸成」「②部門内外のコミュニケーションを通じた、つながりの可視化・課題把握」「③良好事例を共有・拡散をすることによる風土改善」を目指したいと考え、導入を決めました。先述の通り、半導体・デバイス事業本部様独自のお取り組みとして、本部長や副本部長が全国の拠点を行脚するタウンホールMTGや、現場からの意見を吸い上げる意見箱の設置などを実施されています。その中でUniposをどのような位置づけでご活用いただいているのでしょうか。国武様:前提として、一つの施策だけで理想を実現するのは難しいと考えており、施策ごとに「やる気を引き出す仕組み」や「トップの思いを共有する仕組み」などの役割があります。その中でUniposは「感謝や称賛を皆に伝え合うカルチャーを根付かせる仕組み」という位置づけで活用しています。成果①——称賛文化が根付き、挑戦行動も増え始めている。時間や場所を超えたコミュニケーション活性化にも効果パワーデバイス製作所様、そして半導体・デバイス事業本部様全体でご活用がスタートしてから、様々な変化が生まれていると言います。岩上様:導入以前は「使われるのだろうか」という不安がありましたが、導入から1年半以上経った現在でも、投稿数が減らず「皆が使っている」状態が続いています。当初の予想に反して活発に使われて続けている背景には「面と向かって伝えるのが恥ずかしい」という内向的なメンバーが多いというパワーデバイス製作所の特徴が関係しているのではないかと考えています。そのようなメンバーが直接伝えられない感謝や称賛のメッセージを伝える場としてUniposが機能しているのだと思います。国武様:導入目的の一つである、感謝や称賛をお互いに伝えあえる文化が半導体・デバイス事業本部全体で醸成されてきたと感じています。実際にUniposを見て感じるのはもちろんですが、アンケート結果の改善からも変化を感じています。また、導入してから1年弱で26万件もの投稿が累計で蓄積されているのも素晴らしいですね。休日も含めて毎日投稿が更新されているところからも浸透度合いを実感しています。国武様:直接部門でもUniposが浸透しています。先日、工場で班長の方々と話した際にも「工場はシフト制でなかなかメンバー全員と会いづらいため、班長としてコミュニケーションに課題を感じていた。しかし、Uniposがあれば直接会えなくても『先日はありがとう』というコミュニケーションを取ることができる」などポジティブな声が多く、Uniposが直接部門でのコミュニケーション手段になっていることを感じました。▲直接部門でやりとりされた投稿国武様:また、Uniposがあることでこれまで伝えづらかった感謝や称賛のやり取りが時間や場所を問わずできるようになりました。実際に私も出張でお世話になった方に対して、出張の帰りの飛行機の中で感謝の投稿を送るなど活用しています。▲国武様から出張でお世話になったメンバーへ送られた投稿パワーデバイス製作所様の導入目的の一つであった「挑戦できる組織への変容」にも効果をご実感いただいています。岩上様:Uniposを導入したことで、目標としている「高い目標を掲げて挑戦する・スピードを上げて取り組む」という組織風土に近づいている実感があります。これまでのやり方をより良い方向に変える挑戦行動やスピード向上を実現するような改善行動がどんどん増えていっているのです。例えば、「この仕事やめるの?」と聞いた時に「やめません。もう一度時間をください」と言って挑戦し続けてくれるメンバーが増えているなど、明確に変わったと感じています。また、お互いに意見を言い合っている様子もUniposを通じて見えるようになってきました。「これもやってみたら?というアドバイスをもらえた」「チームで考えていい案を出してくれた」などという投稿が生まれているのです。意見を言い合うことは、現場の自走に繋がります。その萌芽となるような投稿が見えていることも良い変化だと捉えています。成果②——現場の困りごとや辞められる仕事が見えるようになった。拠点間や個人間のつながりの可視化にも効果がUniposに集まる投稿を通じて、拠点間や個人間の「つながりの可視化」にも役立っていると言います。 国武様:毎月、拠点ごとにUniposがどれくらいやりとりされているかを見ているのですが、拠点間のやり取りの量が増えていたり、普段関わりのない拠点のやりとりが生まれていたりしているのが確認でき、Uniposのデータを元に、変化が定量的に可視化されることの価値を感じています。また、Uniposは個人がメッセージを送り合うため、文面から従業員同士の関係性が見えてきます。経営として組織全体を把握する上でそのような情報も、非常に参考になります。▲拠点を超えてやりとりされた投稿「Uniposによって現場の様子が見えることで、想定外の効果も生まれている」と岩上様は語ります。岩上様:現場の状態を知らずにトップダウンで決めた施策は「なんでやるのか?」ということが理解されず、頓挫してしまうという結果になりがちです。その現場とのギャップは直接話を聞きに行かないと埋まらないのですが、これまで意見を聞けるのはワークショップの場※しかありませんでした(※パワーデバイス製作所様で独自に実施している、所長・従業員が、少人数で中期事業戦略や所長方針、その他参加者の業務上の悩みなどについて意見交換する場)。しかも、パワーデバイス製作所全体で1,650名の従業員がいる中で全ての意見を吸い上げるのは不可能に近い。そんな中で、Uniposがあれば、投稿から現場の意見を吸い上げたり、現場の課題を発見したりすることができます。特に半導体・デバイス事業本部全体に広がってからは、最前線で働いている現場の皆さんの困りごとや辞められそうな仕事が「〇〇という場面で困っていた時に助けてくれてありがとう」といった趣旨の投稿から見えるようになりました。実際に、Uniposの投稿をきっかけに気づいた困りごとを解決した事例もあります。タイムラインを見ていると「会議室を探してくれてありがとう」という投稿が多くやり取りされており、会議室の確保に皆が困っているということに気付きました。その困りごとを解決するために会議室管理システムを導入すると、会議探しに関連する投稿がぐっと減ったのです。会議室を増設するというコストを掛けず問題が解消できたので、これもUniposの効果の一つですね。また、Uniposから見えた困りごとが多い部門で優先的にワークショップを実施するようになったことで効率化にも繋がっています。ワークショップ内でもUniposの内容に触れつつ対話を行うなど活用しています。国武様:Uniposの投稿を元にして「辞め活」に繋がるような情報が見つけられるのはいいことですね。これからさらにそうした投稿が増えていってほしいです。これから——さらなる「現場力」強化に向けて最後に、今後のUnipos活用の展望について語っていただきました。岩上様:ビジネスでは、他社との競争の中で勝たないと生き残っていけません。各社様々な戦略を立てている中で、差を作るのはその戦略を実現する「現場力」だと私は考えています。戦略は変化を見ながらすぐに変えていけますが、現場力はなかなか変わらない。だからこそ、現場力が高い組織は強いと思います。私が目指したいのは「スピード感をもって挑戦できる」組織。その実現のためには「自走」がキーワードになってくると思います。一人一人が自分で考え、周りの意見も聞きながらその時々で最適な判断をしていくことでスピードがどんどん上がっていきます。トップや管理職層に頼るのではなく、自分自身で考えられる人を増やしていくためにも、Uniposを通じて「結果に関わらず挑戦したことを称賛する」ことを繰り返していきたいと考えています。Uniposはただの「ありがとうツール」ではないと考えています。今後は、ただ感謝を伝えるだけではなく、何に対しての感謝なのかということが具体的に伝わる投稿を増やしてより活用していきたいですね。国武様:導入目的のうち「称賛文化」についてはかなり定着できていると思いますし、「つながりの可視化」にも効果を実感しています。一方で、あらゆる課題のタイムリーな把握や、良好事例の共有・拡散については、これから更にUnipos活用を通じて取り組んでいきたいと考えているところです。Uniposの良いところは普段見られない良好事例が投稿から見えてくること。事業が変革を求められている中で、特に「部門を超えた助け合い」や「新しいことに挑戦する/失敗しても立ち上がり挑戦し続ける」という行動がUnipos上でクローズアップされ、組織全体に広がっていくことを期待しています。※後編では、三菱電機式会社 半導体・デバイス事業本部様の関係会社である、メルコアドバンストデバイス株式会社様とメルコパワーデバイス株式会社様に、Unipos活用法やご活用後の変化についてお話を伺います。 併せてぜひご覧ください。(写真左奥から)三菱電機株式会社 半導体・デバイス事業本部 半導体・デバイス業務部 人事グループ 宮本望未様、人事グループマネージャー 川井博貴様 、執行役員/半導体・デバイス事業本部 副事業本部長 兼 半導体・デバイス業務部長 国武一郎様、人事グループ 担当課長 岩本将和様 、Unipos株式会社 カスタマーサクセス 園部洋奈、執行役員 ビジネス本部 フロント部門統括 兼 カスタマーサクセス部 部長 岸川京太郎、カスタマーサクセス 府川史歩